【進撃の巨人】潔癖症な彼と過眠症な彼女【リヴァイ】

第16話 逃げたかった* ページ19

「Aっ！」






人混みを掻き分けながら、母がこっちに走って来る。






そして、

私の前に立った母は、息を切らしながら言った。









「あんたっ、なんで壁外調査に行く事言わないの？！
私がどれだけ心配したかわかってる？！」




私の肩を激しく揺らしながら母は怒った。




『……ごめんなさい』




「お父さんもお父さんよ！
なんで憲兵団から調査兵団に移動させたの？！」





『……お母さん、私この後仕事あるから…もう行くね』




母の言葉を最後まで聞けるほど、私の心に余裕がなかった。




何て言われるかなんて、もうわかってた。





調査兵団に入ってから今までずっと同じ言葉を言われてきたのだから…、、



でも、

それでも…、、面と向かって言われるのは辛い。




それは、何年経ったって変わらなかった。




「何でお母さんの言う事が聞けないの？！
結局、あんたもあの人と同じなのね…っ」




馬を引っ張って背を向けた時、母は私にそう言った。




『………』




私は、何も言わなかった。



いや、言えなかったんだ…、、





私がここで何か言ったら、母はまた怒ってくるとわかっていたから…、、




「……なんでっ、何も言わないのよ！」




後ろで泣き叫ぶ母に、私は振り返りもせずただひたすらに前へ進んだ。








リ「…………」









・









・









『………あぁ、、そっか…』









・








私が調査兵団に入った一番の理由は…



この人から、【逃げたかった】からなのかもしれない…、、

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