【あんスタ】吸血鬼の妹は狼に恋をする２ (ページ10)

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60 アルバムページ10

適当にページを開いてみる。

『あ、この写真…』

儀式の写真だ。
見た感じ零兄が小学校低学年。凛月兄がギリギリ小学生だろうか。私は抱っこされながら寝ている。

零兄は嫌な顔一つせずに行っている。このページは儀式の時の写真で埋め尽くされていた。

『次…』

さっきの写真と同じぐらいの歳だろうか。凛月兄がピアノを弾いている写真だ。零兄と私はそれを横で聴いている。

両親はどういう気持ちでこの写真を撮ったのだろう。

次のページをめくる。

私の小学校入学式の写真。写真に写っている家族は全員眠そう。別の写真を見ると零兄と凛月兄はクラスメイトに囲まれていた。人気者だ。

小学生の頃の私の写真は全て不安そうな顔だった。怯えている、のほうが正しいだろうか。

次のページ。

ここからは私と凛月兄の写真しかない。

それと同時に凛月兄には遊び相手ができた。

この写真の隣に写ってる人物は真緒くんだ。マイちゃんもいる。

「A」

声をかけられた。アルバムを閉じ、声のする方へ体を向ける。凛月兄だ。

『どうしたの』

「アルバム見るなんて珍しいじゃん、何かあった？」

『…分かってるくせに』

やっぱり聞いてたんだ、と呟くとゆっくり近づき、私が読んでいたアルバムの隣にあった別のアルバムを取った。

「エッちゃんのこと、気になって調べてたんでしょ？」

『そうだよ』

「そのうち分かるよ」

知っているなら教えてくれればいいのに。兄はアルバムを持ち、扉の前まで行くと足を止め、こちらを向いた。

「それよりお粥、食べてくれた？」

『うん、美味しかったよ。ありがとう、凛月兄』

「どういたしまして、じゃあお皿持っていくね」

『うん』

凛月兄は空になったお皿を手に取ると部屋を出ていった。あのアルバムに何かあるのだろうか。

まぁいいや。そう思いもう一度アルバムを開く。年齢順になってるのだろうか。1番最初のページは私が産まれてすぐの写真だ。

天祥院英智と仲良かったのは幼い頃の話…だったみたいだし小学生になる前かな。ペラペラと順番にアルバムをめくる。

『…』