49 愛と驚きをあなたに ページ49
『わっ』
上から薔薇と花びらが降ってきた。赤色が凄く綺麗だ。この花は私に元気をくれる。棘があって危ないが大好きな花だ。
「ふふふ、喜んでもらえて良かったです…☆」
『…ありがとう、渉兄。けどどうして休日の学院に？』
上を見ると渉兄が天井にへばりついていた。これは完全なる不審者だ。
「部活動ですよ♪少しやり残したことがありましてね」
『えっと…演劇部だっけ？』
「はい！貴女も部活動に入っていると聞きましたが？」
部活か。最近全くといっていいほど顔を出せていない。
『…手芸部だよ』
「おぉ手芸部！！楽しいですか？」
『…うん。みんな優しい人なの』
それは良かった、というと渉兄は私の目の前で華麗に着地。驚きのあまり1歩後ろに下がってしまった。
「それで…他の方はどちらに？あなたが1人なんて珍しい」
『…そんなことないよ。私だって1人で行動ぐらいする』
「それは失礼！それで…何処に向かっているのです？」
そうだ。なにか食べるために購買を探してるんだ。渉兄なら案内してくれるだろうか？
『購買だよ』
「購買は逆方向ですよ？」
まさか方向を2分の1で外すとは。恥ずかしすぎる。
「良ければ私がご案内します…☆」
『…よろしくお願いします』
もうここは渉兄を頼るしかない、そんな気がした。
「少し聞きたいことがあるのですが…よろしいですか？」
『…零兄のこと？』
渉兄は不思議な人だ。鳩を連れながら歩いている。どこから出てくるの、その鳩は。
「えぇ、あとは…」
『天祥院英智ね』
「はい♪」
すると何処からか薔薇を出し私にプレゼントしてくれた。
『原因は多分…昼間での行動が増えたから…かな』
「昼間での行動…ですか」
『天祥院のことだけど…本当は彼の言うことなんて聞きたくなかった。けど私はあなた達の役に立ちたい。…だから今回引き受けたの』
「…そうですか。期待していますよ、プリンセス…☆」
そう言うと廊下に薔薇をばら撒き始めた。これは誰が後始末をするのだろう。
あぁ、そうだ。
『ねぇ渉兄。私からも聞きたいことがある』
「どうしました？」
『王様と…凪砂先輩と日和先輩はどうしてる？』
今年度になってから全くと言ってもいいほど彼らと会わない。
「そのうち分かりますよ。…さぁ！そろそろ購買に着きますよ☆何を買いますか？」
一瞬、驚いたかと思うと彼は無表情になった。すぐいつもの調子に戻ってしまったけど。
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冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
