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48 大丈夫 ページ48

*


零兄が倒れたの

夜まで凛月兄と学院待つつもり



そう母にメールを送った。


『待って、凛月兄』

「…なに」


スマホをポケットに入れ、教室を出ようとした兄に声をかける。


『私、夜までここにいようと思うの。凛月兄も一緒にいてくれない?』


「…ごめん、俺はやめとく。…Aなら1人でも大丈夫だよね」


返事に少し間があった。

…きっと今は1人になりたいのだろう。


「お…おい、それはねーだろ」

「1人にするのは危険だ」

「弟くん…」

『…先輩方、大丈夫ですよ。ありがとうございます』


こうなったら仕方が無い。


「ねぇ、コーギー。Aと一緒にいてあげられないの?」


兄が出した名前は大神先輩だった。


「あ〜悪ぃ、家でレオンが待ってるから無理だ」


レオン。弟さんだろうか?


「ふーん。それは残念だったね、A」

『なっ…』


やっとこっちを見たと思えばニヤッとした顔。思わず声を出してしまった。


「じゃあ俺は帰るね。…何かあったら俺に絶対連絡すること、分かった?」

『うん』


兄はクスッと笑うと優しい声でそう言い、教室を出た。真緒くんのところにでも行くのだろうか。


「Aちゃん、本当に大丈夫?」

『羽風先輩…ありがとうございます。本当に大丈夫ですよ』


心配そうな顔でこちらを見る3人の先輩。ただ待つだけだ。何も起こらないだろう。




先輩方が用事で帰ったあと、寝ている零兄と2人きりになった私は何をするべきかを考えていた。

日が落ちて完全に暗くなるまであと6時間ほどある。夏が近づいてきているせいか最近日が落ちるのが遅い。


『…あれ、既読ついてない』


少し前に母に送ったメール。いつもならすぐ既読がつき、返信が来るのだが今日は何故か遅い。まぁそんな日もあるだろう。

やっぱり1人で待つね。という文を追加で送信し、スマホをポケットに入れた。


『…購買でも探そうかな』


先程からずっとお腹が空いていた。
軽いものでいいから何か食べたい。確かアイドル科にも購買部があったはずだ。

とりあえず教室の外に出て周りを見る。見えるのは同じような景色。うん、分からない。



「迷子ですか?プリンセス」


上の方から声が聞こえた気がした。どうやら今日は疲れているらしい。


「無視なんて悲しいです…☆聞こえているでしょう…?」


声だけで存在感がすごい。どうしよう、見なくても誰か分かってしまう。

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設定タグ:あんスタ , 朔間兄弟 , 大神晃牙   
作品ジャンル:恋愛
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冬乃(プロフ) - よっ! (2018年8月30日 18時) (レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです!あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです!続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんごあめ | 作成日時:2018年8月2日 0時

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