04 本当の少女 ページ4
＿＿放課後
『もう最悪。まじで意味わかんないし、なんで私が走らなきゃだめなのよ』
「うるさいぞ、A。いつもの大人しいキャラはどうした。」
今いるのは夢ノ咲学院アイドル科。私の隣に歩いているのはこの学科の3年生、蓮巳敬人。
私は今1番上の兄である零に会うため、ここに来ている。
『…って、敬人兄。わざわざついてきてくれなきていいのに。』
「お前の事だ。またあの奇人たちに絡まれて本当の目的を忘れるだろ」
『否定は…しない。』
アイドル科は普通科と違ってもの凄く設備が整っているし、なにより面白い人が多い。
てかアイドル科、久しぶりに来たけどなんか平和になったな。全体的に綺麗。転校生に女の子も来たって話だし。
「そう言えばA、今日は朔間さんになんの用なんだ？」
『…別に用なんてないよ。強いて言うなら生存確認？』
「…そうか。そう言えばそのお嬢様キャラの時は朔間さんのことを零兄だなんて呼んでるんだろ？」
『…悪い？』
いいや、と言うと敬人兄は軽音部の部室に連れてきてくれた。ここに来れば零と「確実」に会えるらしい。
「じゃあ俺は生徒会室に戻るぞ。もう少ししたら朔間さん達が来るだろう」
『ありがとう、敬人兄』
ん？朔間さん“達”？
軽音部の部室。
なんだか気味が悪いと言うか不思議な感じがする。楽器が置いてあるから軽音部って感じはするけど…。
『えっ棺桶…？』
目の前にあるのはどこからどう見ても棺桶。
これ、絶対あの人の私物だよね。もしかしてここで寝泊まりしてるの…？
ガチャ、軽音部室のドアが開いた。誰か入ってきたらしい。
「…失礼しま〜す、UNDEADの皆さんいらっしゃいますか…？ってだ、誰…？」
いや、こっちが聞きたいですけど。
まさかこの学院で女の子を見る日が来るなんて…。しかもどうも彼女は零の知り合い。
もしかしてこの人が噂の「転校生」さん…？
『…はじめまして、あんず先輩。私、普通科の朔間Aと言います。いつも零兄がお世話になっております』
第一印象は大切だ。丁寧にかつ簡単に自己紹介をする。そしてこのあんず先輩の驚いた顔、想像通りの反応だ。
「こらこら、A…あんずの嬢ちゃんがビックリしておるじゃろ。」
次に入ってきたのは私の兄、朔間零だ。
久しぶりに会ったけど…なんだ、元気そうじゃん。ちょっと心配してた私が馬鹿みたい。
『零兄、久しぶりだね。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 219人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
