13 朔間家は ページ13
零兄を先頭に家に入るとリビングから聞き覚えのある声が聞こえた。
「やっぱりな…我輩たちの考えは間違ってなかったようじゃ」
「帰ってくるなら連絡ぐらいくれればいいのに」
『ただいま』
その瞬間ピタリとリビングから聞こえた話し声が止まった。こちらに向かってくる。
「A!帰ってきたのね!!遅かったじゃない…!」
「お、零と凛月もいるじゃないか!3人とも仲良くなったのか??」
そう、私たちの両親だ。海外出張でしばらく帰ってこないはずなのに…今は何故か家にいる。
2人が前回帰ってきたのは私の入学式の日。約2ヶ月ぶりになる。相変わらず元気な2人だ。
「そうなんじゃよ〜♪」
「父さん、そんなわけないでしょ。仲良いのは俺とAだけ」
『二人とも今日はまたどうして…』
「それはまた後で話してあげる、ほら。3人とも手を洗ってリビングに来なさい!」
この感じ、久しぶりだ。2ヶ月は意外と長い。
手を洗いリビングに行くと2人が待っていた。今日はいつもよりテンションが高い気がする。
「3人ともこっちこっち!」
「母さん、テンション高いの…」
『本当だね…』
父が言うには1週間の休みを貰えたから帰ってきたらしい。ということは…
「…1週間家にいるってわけ?」
「凛月大正解♪正しくは6日だけどね〜、家族で過ごすなんて久しぶりでお母さんワクワクしちゃう!」
「2人はどこか出かけたりするのかえ?」
確かに。久しぶりの日本なんだしずっと家にいるなんて勿体ない気がする。
「私は家にいるつもりだけど…みんなは何処か行きたいところあるの?」
「父さんも特に予定もないし家にいるつもりだが…」
零兄と凛月兄と私は思わず顔を合わせる。意外な返事だったからだ。両親のことだから観光の計画でも立てているものだと思っていた。
「父さん、母さん。明後日に学院でドリフェスがあるんじゃが…」
「チケット取っとくからAと3人でおいでよ」
確かクラスの女子も言ってた。UNDEADとKnightsの合同ライブがあるって。
「零と凛月のライブ!?いいわね!!行きましょ!」
「Aはその日、大丈夫か?」
色々と不安なことはあるがきっと大丈夫だろう。うん、大丈夫だよ。と言うと両親はパッと笑顔になった。
それから数時間後。酒を飲んで軽く酔っ払ってる父と兄2人はよく分からない話で盛り上がっている。まぁ楽しそうでなにより。
そして母と私は…
219人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬乃(プロフ) - よっ! (2018年8月30日 18時) (レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです!あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです!続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りんごあめ | 作成日時:2018年8月2日 0時