逃げて追って、その先は【あんスタ】 (ページ44)

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139.まさに修羅場かページ44

唐突に、瀬名君の声を遮るかのように、第三者の声が響き渡って。

今の、声……

もちろん、レオ君でもなずなでもなくて。

透き通る、この声を私はよく知っている。

だって1年前まではよく、聞いていたんだから……

私はゆっくりと、声のした方へと顔を向けて。

『………り、つ君……』

そう、いつの間にかこの部屋へと入って、扉に背を預けていたのは、Knightsのメンバー、朔間凛月本人で。

凛「なぁに、幽霊でも見たようなカオして」

『え、あ……え、』

言葉にならない。何か言わなきゃって思うけど、何から言っていいのかが分からない。

私は彼と、どんなふうに話していた……?

固まる私。そんな私をチラリと見た瀬名君。

瀬「ちょっとくま君、俺の言葉遮らないでくれる?」

もちろん私に構うハズもなく、彼は凛月君にそう言っていて。

凛「えー、だってせっちゃんの言葉遮るの、俺好きなんだもーん」

瀬「“もーん”じゃないでしょ!?」

凛「あー、もう怒らないのー」

瀬「怒らせてんのは誰!?」

月「どうどう、セナ!!」

な「お、落ち着くんらよ、泉ちんっ!!」

また、お怒りモードに突入されてはかなわないため、レオ君となずなも加わり、瀬名君を落ち着かせている。

本当なら私も加わるべきなのだろう。

けど、どんな顔をして凛月君と話せばいいのか、向き合えばいいのかが分からない。

……あんだけ覚悟決めてたのに。こんなんじゃ全然ダメじゃん。

思わず俯き、下唇をギュッと噛んでしまう。

すると誰かが私の目の前まで歩み寄ってきた。