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40.名前で呼んで ページ41
羽「はい、この階段登れば2年生の教室着くよ〜」
そう言って、目の前の階段を指さす羽風君。
何だかんだいいつつも、ここまでちゃんと連れてきてくれたのだ。
『ありがとね、羽風君』
羽「んー……ねぇそれやめない?」
『え?』
やめないとは、どれの事なのだろうか。
頭にハテナを浮かべながら彼を見れば、羽風君は笑っていて。
羽「その、“羽風君”呼びだよ。どうせなら名前で呼んでほしいなぁ」
『えぇーーー』
羽「え、何その嫌そうな顔!?」
酷い!何て喚いている羽風君。
名前呼び、ね……。
『……じゃあ私行くから。ホント連れてきてくれてありがとう………薫君』
羽「え、」
ニヤリと仮面の下で微笑んで、私は階段を一気に駆け上がった。
後ろで羽風君ーーー薫君が悲鳴に近い声を上げていて。
彼のそんな珍しい声を聞いて、私はほくそ笑むのだった。
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作者名:松並ゆの | 作成日時:2018年4月11日 19時