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15.扉は勢いよくあけましょう ページ16

あれから、一気に私とあんずちゃんの距離は近まった。


お互い可愛い物好きということが分かり、意気投合したのだ。


それはもう、衣更君が呆れるくらいには。


衣「あ、つきましたよ」


そんな彼の声で、歩みを止める。


……さぁ、ここからが正念場だ。


あんなに関わりたくないといっていたアイドルと、これから関わることになる。



そうして“彼ら”ともまた……



でも決めたんだ。



私は過去を断ち切りたい。


ちゃんと謝りたいんだ。


その為には、トラウマを克服しなければ。




私は1度小さく深呼吸をし、そうして扉に手をかけたーーー




『失礼しまーす!』


?「え、え、えぇ!?」


?「なっ!?」


?「セリエ、ちゃん…?」


三者三様とは、まさにこの事か。


彼らは突然の私の来訪に驚いていた。


てゆーか眼鏡の彼、見たことあるぞ。


いつか瀬名君が、1度だけ開いた私のステージに無理矢理彼を連れてきたことがあったような……


一瞬浮かんだそんなことを、すぐさま頭から払い落とし、私は笑顔を作って見せた。


まぁ、仮面で隠れてはいるが。



『今日からあんずちゃんのサポートをすることになりました!3年のセリエです!知ってる人も知らない人も宜しくね!』


そう言った私に釣られるかのように、驚いていた彼らも口を開いた。


明「あ、俺は明星スバル!キラキラしたものが大好きだよ☆」


氷「俺は2年の氷鷹北斗だ。よろしく頼む」


遊「え、え、セリエちゃんが何で!?サポート!?て、あ。えと、僕は遊木真です!」


いきなりの自己紹介。


ううむ、この子達めっちゃお利口さんだ。


普通いきなり現れたらビビってそれどころじゃなくなるのに。


彼らといい、あんずちゃんといい、今の2年生はとても良い子すぎるな。



なんて、私は仮面の下でそんなことを思っていた。

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作者名:松並ゆの | 作成日時:2018年4月11日 19時

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