252.私の応え ページ20
学園内はどこからか聞こえる楽しそうな声で溢れているのに。
私達2人の間に漂うのは、気まずい雰囲気で。終始無言だ。
……あんな分かれ方をしたんだ。気まずくなるのもしょうがない、か。
けど、これだけは言わないと。
『零さん』
零「……」
私が呼びかけると、彼は窓の向こうに向けていた視線をこちらへ寄こした。
……無視はされてない。よかった。
『この間、零さんに関係ないって言った事、謝ります。ごめんなさい。……だけど言わせて下さい。
今度のライブ、ちゃんと真剣です。逃げるのはやめるから。だから……私の曲を、気持ちを、聞いてください。』
零さんに中途半端と言われたけれど、確かにそれは的をえてた。
人との関わりも、曲作りも、何もかもが中途半端。
だけど、去年の私と零さんの思い出を消したくない。私の抱いた気持ちだけは偽りたくない。
もう、中途半端に逃げてはいられない。
『私、もう一度最初から頑張ります。また、零さんに認めて貰えるように。』
だから今度のライブのトリを飾る曲も最初から作り直しだ。
半端な私が書いた曲じゃ、伝わらないから。
やっと前を向けた、今の私が新しく作れば、きっと届く。
私を好きだと言ってくれた凛月君にも。心配してくれた瀬名君にも。それに、零さんにも……。
笑え、A。
『私の作る曲、聞いててくださいね』
仮面の下に笑顔をうかべて。私は零さんの横を通り抜けて行った。
彼に私の今の気持ちを伝える事ができたからか、心が少し軽くなった気がする。
それに、瀬名君は言っていた。
ｰｰｰアンタがちゃんと考えて出した応えなら、くまくんも受け入れるはず
きっとそれは、凛月君だけじゃない。零さんにも当てはまるはず。
だったら、私の応えはもう決まった。
『早くこの気持ちを曲にしなきゃ!』
曲作りの事だけしか考えてなかったから、零さんが呟いた言葉も私には聞こえなかった。
零「…ホントはお前の事はとっくの昔に認めてんだよ」
ｰｰｰ素直になれないのは、どっち?
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日和 - 最後まで読みました！もうすっごい素敵でした！番外編も読みたいです！待ってます！ (2020年2月4日 9時) (
レス) id: 972516cad5 (このIDを非表示/違反報告)
松並ゆの(プロフ) - 日和さん» ありがとです！物語ももうクライマックス、最後までお楽しみ下さい♪ (2020年1月29日 18時) (レス) id: c69e9f8b84 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - すごく面白いです！続きがとても楽しみです！ (2020年1月29日 14時) (レス) id: 972516cad5 (このIDを非表示/違反報告)
松並ゆの(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとです!時間はかかりますが、ちゃんと更新しますのでもう少しお待ちください…♪ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 5fc703e917 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2019年11月5日 0時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：松並ゆの | 作成日時：2019年3月8日 23時
