悪女様 ページ24
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紗倉深雪。
紗倉Aの双子の妹。
姉とは違い、かわいくて人気者…
そんなレッテルが貼られて約4年。
お姉ちゃんには悪いけど、私は今の生活を楽しんでいる。
だって私の株が上がってくばかりなんだもん。
廊下ですれ違った同級生に、
「深雪ちゃん、紗倉さん大丈夫なの?」
って結構聞かれる。
本当は興味ないくせに、自分の株を上げようとしてるクズ達。
私は心配してるんだよアピール。
そんなんで私の中のイメージが変わるとでも思ったの?
「うーん、どうだろう…最近は結構キツそうでさ…早く治してくれないかな?また遊びたいし…」
偽りの言葉には偽りで返す。
キツそうなのは事実。
心配してたり、遊びたいってのは嘘。
単純なクズ達はそんな言葉で十分オトせる。
ああ、深雪は優しいんだなって思い込んでさ。
深雪は悪くない。
嘘を嘘で返してあげただけ。
株を上げようとしてたから私も便乗しただけ。
だから、深雪は悪くないの。
Aが病気になって、部活を辞めてラッキーだと思った。
ついにここは深雪だけのお城になったんだって、深雪はここのお姫様になれたんだって思った。
及川がAを止めなかった時は、少しびっくりした。
だって及川は確か…
ううん、やめとこう。
及川は深雪のオモチャだもん。
なーんでAは私のモノを全部奪うの?
深雪の方がかわいいのに、深雪の方がみんなをわかってあげれるのに。
みんな馬鹿ばっかり。
そんなのだから、深雪の手のひらでしか踊れないんだよ。
クズはおとなしく操られときなよ。
え、さっきからクズばっかり?
深雪の方がクズ?
何を言ってるの、深雪はね、クズなんかじゃないわ。
深雪は、みんなの味方であってご主人様。
そう、ただの悪女なのよ。
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作者名:浅葱。 | 作成日時:2017年7月21日 18時