検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:10,007 hit

おかえり青春、おかえり木兎さん。 ページ10

*赤葦side

俺は進級した。
クラスは三年一組。
木兎さんが一年過ごした教室だった。
俺も等々三年。
そんなことを思いながら指定されている席についた。

スクールバッグを机の横に掛け始業式の時間を待つ。
そんな時目についたのは机の落書き。
それはシャーペンやネームペンで書いてあるものではなく、彫ってあるものだった。
そして俺はその落書きを見て驚きを隠せなかった。
その落書きは…

『男子バレー部最高!
また最高なトス頼むぜ!あかーし!』

こんなことを書くのは…一人だけだ。
木兎さん、ただ一人。
何書いてるんですか…アナタは……
しかもこんなにはっきり。
馬鹿ですか。
阿保なんですか。
少し涙が出てきた。

周りに人が居て、さすがに泣く訳にはいかない。
だから俺は涙を拭った。
そして俺も机に落書きをした。

『もちろんですよ』

木兎さんが書いたその言葉に返事をするように。
出会った日を思い出しながら。
アナタに会えた喜びを噛み締めながら。








木兎さんがここ(梟谷)に来たらこう言うんだ。

「おかえりなさい」って。


木兎「あかーし!」
赤葦「あ…木兎さん…」



俺は微笑んだ。



おかえり、青春。
おかえり、木兎さん。





"おかえりなさい。"








E N D .

あとがき.→←さよなら、木兎さん。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
19人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

瑠璃葉(プロフ) - 夜明けと蛍聴きながら、読みました。赤葦の気持ちも木兎さんたちの気持ちも、わかるのですごく泣きました。 (2019年3月16日 17時) (レス) id: 603a824da9 (このIDを非表示/違反報告)
ーーー - これ、夜明けと蛍のやつですかね?っていうか初っぱなから泣きっぱなしです。もうヤバイやっぱり一番複雑なんでしょうね。赤葦 (2019年1月31日 21時) (レス) id: 8c9efd1690 (このIDを非表示/違反報告)
宵月(プロフ) - 夜明けと蛍(ガッショー!!のやつ)を見てから読んだので、めちゃくちゃ泣きました……!3年生が卒業したとき、1,2年生の中で1番複雑な気持ちになるのはやっぱり赤葦なんでしょうね……。 (2019年1月12日 21時) (レス) id: 5b8af0e953 (このIDを非表示/違反報告)
桜庭暁(プロフ) - つい先日、部活の先輩達が引退しました。このお話を読んで旅立つ者の想いと、残される者の想いを強く感じ、とても感動しました。 (2018年11月29日 22時) (レス) id: ab5fb01835 (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - めっちゃ涙が出てきました!赤葦の気持ち本当にわかります…(泣)涙がポロポロ出てきますね。 (2018年11月2日 21時) (レス) id: 8a8078ca71 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:チェスト | 作成日時:2018年10月25日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。