第49話 ページ3
ビ「もしもし?……もォ、乱暴な人だなぁ」
受話器を持ったまま、ビーンズは「会長」と呼びかける。
その先には、会長ことネテロが休憩しているのかしていないのか、よくわからない姿勢で佇んでいた。
ビ「ケータイの電源、オフにされちゃいました。いかがいたしましょ?」
ビーンズのその問いに対して、「ふーむ」と少し考えるような声を返した。ジュースを床に置いて立ち上がると、ゆったりと喋り出した。
ネ「あの娘もかなり強情だからのォ。まぁよほどのことがない限り、意見は曲げんだろう」
ビ「でも彼女の言い分はあまりに一方的だし、何より予定と違います。
あくまで料理を通して、観察力や注意力を測るテストだったのに……」
ビーンズは不満そうに眉を下げ、受話器を戻しながらネテロを見た。
ネ「いまさら言っても仕方あるまい。出かけるぞい」
そう言って歩き出すネテロを早足で追いかけながら、「すいません」とビーンズは謝罪した。それに対して、ネテロはほっほ、と笑ったあとにもう一度話し出した。
ネ「責任者として当然じゃろ。こんなケースは一度や二度じゃないわい」
飛行船乗り場に向かうまでの少し細い廊下を歩きながらネテロは話す。その足取りは心なしか軽いように見える。
ネ「ハンターってヤツは頑固者や変わり者がとにかく多い。そんな連中が審査しとるんだから、おのずと点も辛くなる。
実際、委員会が試験官の指示に従って合格者を出さなかった年もあるしな。
…だが、今回のケースは少しばかりテスト生が気の毒だからのお。
……………それに」
飛行船に乗り込みながら、ネテロは小声でそう零した。それに反応したビーンズが「それに?」と続きを聞きたそうに返した。
それを聞いて、ネテロが口角を上げて笑顔になって答える。
ネ「Aがどうせ「退屈だ!気に食わん!!」とか言って呼び出すじゃろうて。
久々に会う気がするわい!楽しみじゃのぉ、ほっほ!」
ビ「(…………孫バカ…)」
ビーンズは苦笑して飛行船に乗り込んだ。
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猫 - 主サンが描く物語好きです!続き待ってます! (3月27日 17時) (レス) @page27 id: 964519cfd9 (このIDを非表示/違反報告)
1_o3o1_(プロフ) - 時間が空いて何度読み返しても面白い大好きな作品です!気長に更新お待ちしてます(*´-`) (2023年2月6日 8時) (レス) @page27 id: 2f5b4ed08a (このIDを非表示/違反報告)
ろいど(プロフ) - 続き待ってます…更新楽しみに待ってます…!!!! (2022年5月4日 20時) (レス) @page27 id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 更新楽しまにしてます!無理のないよう頑張ってください (2022年3月4日 19時) (レス) @page27 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
ジャッキー(プロフ) - 続きを…お願いします…! (2021年6月27日 17時) (レス) id: 2f5b4ed08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むむ | 作成日時:2019年10月11日 20時