/ 邪 魔 者 / A.D Y.R

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大貴【あの公園に10時に集合ね！】








そう送られた、2日前のメール。

再度確認して、鏡を見る。








『よし』








後ろ髪をチェックし、
時計も一緒に確認。








誘ったのは私なのに、
異常に緊張する。


ちゃんとしたデート？って初めてだから。



いつも通りにすればいいんだよね。








ﾋﾟﾛﾘﾝ





新規メール。

今までにない速さで
メールを開く。








山田【デート頑張ってっ】








『お前かよ！』








山田、すまん。

変なタイミングにメール送るな。




返信は後として、
また鏡を見て、大丈夫か確認。



カバンの中身も確認し、
ドアに手を掛けた。









大貴｢お、きたきた｣








『早いね』








大貴｢楽しみすぎて｣








あのベンチに座って、
携帯をいじっている姿でさえ見入ってしまう。








大貴｢家を出る前はね、ずっと鏡見てたけど｣








『私もだけど。そういうのは黙っとくの！』








ムードなんて私達にはわからない。

ロマンチックなんて私達に似合わない言葉。


ただの憧れで、最終的には
私達らしくなる。








『じゃあ行くー？』








まだ朝だから、風が冷たい。

もう夏なのに。








大貴｢どこ行くの？｣








『どこがいい？』








大貴｢決めてないんだ｣








うん、と頷くと
笑う大貴。

それなつられ、私も笑うと、


大貴はブラブラすっか！とか言って歩き出す。








『大貴に任せる』








大貴｢俺も、Aに任せる｣








意味わからないね、なんて笑って、
2人の行きたいところへと進む。

ここの道行ったらどこに着くんだろう、とかいって進む。


雰囲気いいね、とか言ってお店に入る。




ただのデート。



知ってる。




だからこそ、楽しいんじゃないか。

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