本気を出さないボーダー隊員【ワールドトリガー】

８話 ページ9

 あけましておめでとう私、今年もよろしくね私。ということでやってきましたボーダー隊員正式入隊式。なぜ私が入隊式にいるかって？普段忙しい嵐山隊を一目見ておこうと思って。相変わらず嵐山さんはイケメンだ。さて、それじゃ私はいつも通り訓練室にこもる。


「行かせないわよ」
「・・・・・は、遥」


 ガシッと私の腕をつかんだのは嵐山隊のオペレーター綾辻遥。ニコニコしながら私の腕をガッチリつかんでいる。力強すぎて動かせない。


「オペレーターの案内じゃなかったの？」
「えぇ、この後行う予定よ。それより珍しいわね、Aが入隊式に来るなんて」
「嵐山さんの雄姿を目に焼き付けておこうかと」
「いつでも紹介するわよ」
「勘弁してくださいよ。ただえさえ遥と一緒にいると目立つのに・・・」
「もう！Aはもうちょっと自分に自信持ったら？」
「自信はある。あるけどー・・・」
「そろそろ本気出したら？」
「その内ね」
「はぁ・・・・」


 それじゃ、私は行くわね。と遥は走り去っていった。私はその後ろ姿に手を振る。お忙しいこって。









「やばい、自信なくした」


 あの白髪の少年化け物かよ。
 訓練室に行くのをやめ、私は新人たちの通りもんである対近界民戦闘訓練の様子を眺めていた。なぜかと言われれば気になったからである。今回は面白い物見れるかも！と自分の勘が働いた。結果、一周周って自信がなくなった。なんだあの白い子・・・・、0.4秒ってなんだよ。今までの自分はなんだったんだ・・・・。もう何年か本気出さずに頑張ろう。ちょっと自分でも意味がわからないけど押し切る。つまり何が言いたいかって？あの白い子、とんでもねぇぞ。

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