本気を出さないボーダー隊員【ワールドトリガー】

７話 ページ8

 なんだなんだ今日は厄日か？なんで私はこの人にガン見されているんだ。マジこえぇ・・・・。


「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「あ、あの・・・」
「なんだ？」
「私になにか用ですか？」


 私と同じくらいの身長。だけど年上で総合３位攻撃手２位、そしてA級3位の隊長。そう、風間さんだ。


 待て待て待て、私がなにをしたというんだ。私の記憶が正しければ風間さんとは今、初めましての関係だ。私個人としては一生関わることのない人だ。そんな人がなんで私のことガン見してんだ？マジで怖いからやめてほしい。謝るのでやめてください。ごめんなさい。すみませんでした。


「・・・・・AAであっているな」
「あ、はい」
「お前の記録を見た。なぜ本気を出さない？」
「・・・・・・・・」


 バレた。まぁ、バレるよな。あまり目立つ行動をしてなかったはずなのに・・・。
 そう、私の戦いは手を抜いているように見える。実際に手を抜いている・・・、と言うか試したいことを個人戦で試しているだけなので、まぁ人から見ればそう見えるのだろう。
 目立つ行動をしなかったからこそ、A級やB級中位たちに私の記録を見ることはなかっただろうと思っていたけど、甘かったか。頑張ろう、演技を。そして今の状態を。


「・・・・・や、やだなー。一体何のことだか」
「・・・・」


 演技下手か。頑張ったのに・・・。


「いずれ本気を出します。だけど今はまだその時ではないと思っていますので」
「どういう意味だ」
「そのままの意味ですよ」


 そう言って私は風間さんの横を通りすぎる。
 あんなこと言って本気出す予定ないけどな。あーぁ、しばらく訓練室引きこもろう。おとなしくしてよう。怖いから。


「風間さんにバレたってことは絶対に忍田さんにもバレているはず。あー、どうしよう」


 任務はちゃんとやっているので許してほしいな。いや、許してもらっているのかも、この前なんにも言ってなかったし。

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