本気を出さないボーダー隊員【ワールドトリガー】

２９話 ページ30

民間人
死者 ０名
重傷 ２２名
軽傷 ６８名


ボーダー
死者 ６名
(すべて通信室オペレーター)
重傷 ４名
行方不明 ３２名
(すべてC級隊員)
　

近界民
死者 １名
(近界民の手に因る)
捕虜 １名




以上、対近界民大規模侵攻三門市防衛戦 終結









「・・・・・・へぇー」
「へぇー、って・・・」
「教えてくれてありがとう。なんであんたがこんなところにいるのよ。栞」
「お見舞いだよ〜」
「お見舞いにパソコン持ってくる人いるか。お菓子よこせ菓子」
「ちょっと持ち合わせなくて」
「パソコンは持ってきたのに？」
「そう」

ふざけ
大規模侵攻から５日後。私は肩の傷と高度の熱で三門市立総合病院に入院している。入院は初です。


「まさか、高熱で入院するなんて・・・」
「聞いたよA。いろいろ頑張ったみたいじゃない」
「知らない」
「トリオンの使い過ぎで熱出したとか」
「それも知らない」
「じゃあその傷は？」
「あの女許さん」
「はぁ・・・・」
「なぜため息」


ため息からのパソコンを動かし始めた栞。こっちがため息したいよ。
栞は同じクラスであり、友人の一人だ。どこかの支部に移動したとは聞いていたけどまさか玉狛支部とは・・・。


「ねぇ、あの子は？」
「あの子？」
「メガネのB級隊員」
「あー、修くん？まだ目が覚めてないみたいだよ」
「そう・・・」
「・・・・あんま自分を責めなさんな」
「責めないから」
「はいはい」
「・・・・・・」


メガネのB級隊員くんはあの後、私と同じ病院に入院し、意識不明だ。私も熱が下がり始めたのでお見舞いにいかないといけない・・・のかな？え、初対面なのに。あー、でも自分のせいで意識不明だし・・・。


「お見舞いってなにをもってけば・・・？メロン？」
「なんでもいいんじゃない？」
「聞く相手ミスった・・・」


パソコン持ってくるやつに何聞いてんだ私。パソコンが悪いとは言わないけど、なぜここで仕事する。

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