episode78 ページ31
「ッ、ふっざけんなっ！！」
日課となった朝の散歩をしていると、ガシャンという耳障りな音と共にそんな怒鳴り声が聞こえてきた。
喧嘩だろうか、ならば止めないと。
そう思い声が聞こえた方へと歩みを進めると、そこは技術部の作業場。少し開いた扉から中を覗くと、困ったように笑うズールと怒りに染った顔をしたミカエルが。
なんで、あの二人が。
扉を開けようと伸ばしていた手が、空中で止まる。
ﾐｶ「それじゃ、意味が無いんだッ！そんなの嬉しくなんかねぇ！」
怒っているのに、泣きそうなそんな叫び。ズールは何か言おうと口を開くも、すぐに口を閉じてグッと何かを堪えるように険しい顔をした。
ｽﾞ「ミカエル……」
ﾐｶ「俺は絶対認めねぇッ！」
ズールの言葉を遮るように声を荒らげたミカエルはそのまま背を向けてこちらに近づいてくる。
バンッ！と荒々しく開いた扉をギリギリで避ける。ミカエルは私を見て一瞬だけ驚いたように目を丸くしたが、すぐさまキツく睨み「邪魔、」と吐き捨て通り過ぎた。
このままじゃダメだ。
思わず彼の細い手首を掴むもすぐに振り払われる。
ﾐｶ「やめろ、気持ち悪ぃ」
「ミカエル、待って…」
ﾐｶ「お前に話すことなんてねぇよ」
恨み、憎しみ……そして悲しみ。そんな目をした彼に言葉を詰まらせる。振り払われた掌をギュッと握りしめ思わず私は顔を伏せた。
それを見たミカエルは鼻で笑うと、作業場から去っていった。
ｽﾞ「あー、すまねぇなA。みっともないところを見せちまったな」
「…ぁ、いや。私もごめん、」
ｽﾞ「謝るのはこっちだ。前のミカエルに譲る話をポロッと話しちまって……お前との仲を取り持とうとしたんだけど上手く伝えられなくてさ。……こんな筈じゃなかったんだけどな」
はは、と寂しそうに笑うズールに私は思わず「ごめん…」と言葉を漏らした。
ここに来てギクシャクする彼らを見てて、ずっと何とかしなければと思っていた。なんとかミカエルと関係を築いて、そうすればズールとミカエルの蟠りも無くなると思って。
でも、それが間違いだった。私がこの場所にいる限り、それは続くんだ。ロボロ先輩が言っていた通りなのかもしれない。
私は──
ｽﾞ「お前アホだろ」
「……あだッ！？」
ｽﾞ「何でもかんでも深く考えすぎ。お前悪くないだろ」
突然のアホだろという言葉に顔を上げると、バイコーンと額を弾かれた。え、今…デコピンされたの私？
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
