episode77 ページ30
tn「お互い忙しくて、なんやかんやあまり二人でゆっくり話す機会なかったやん。やから一緒に酒飲んで話したいなーって」
前を向いたまま、後ろを歩く彼女に語り掛ける。
せっかく数年ぶりに再会したというのに中々時間が合わず、夕食や義足のメンテナンスの際にちょこちょこっと話をする程度。彼女はどうか分からないが俺は沢山話したいことがあった。機会を伺って彼女の為にとお酒も密かに集めていたのに……あぁ、酒飲み共に先を越されてしまった。
思わず零れそうになる溜息を堪えて俺は後ろを振り返る。
tn「いつ頃大丈夫そ？」
「あー、じゃ銃の試作品出来たらで……。明後日辺りには出来ると思うからその後なら夜空いてるよ」
tn「了解。にしてもそろそろ出来そうなんか、楽しみやな〜」
「一発で通ればいいけど…」
そう言って肩を竦めて笑うA。「大丈夫やろ」なんて無責任な言葉は言えないので、「成功するとええな」と彼女の頭を撫でた。
そんなこんなでポツリポツリと会話を紡いでいると、彼女の部屋の前に着いた。
グルさんの下世話な計らいで俺とAの部屋は隣同士。まあ生活時間が違うため、こうして部屋の前でバッタリというのは中々無いのだが。
ああ、酒を一緒に飲むなら部屋を片さないと。
忙しすぎて溜まりに溜まりまくったシャツやら下着やらを思い出し、脳内で予定を立てる。さすがに洗濯する時間はないからクリーニングやな。
そんな事を考えていると、自室への扉へ手をかけたAが唐突に振り返った。
「おやすみ、トントン」
tn「おん、おやすみ」
何気ない挨拶。
またAとこんな挨拶を交わせるなんて。
思わずにやけそうになる口をムニッと抑えて、誤魔化すように彼女の頭を軽く叩いた。
彼女も俺と同じ気持ちなのだろうか、叩かれた所を擦りながら、いつもより柔らかい笑みを浮かべていた。
「ふひ、懐かしいね。どうする？昔みたいに一緒に寝る？」
tn「っ、何言ってるんやアホ」
「あはは！冗談だって、」
じゃ、改めておやすみ。
普段言わないような冗談を残し、悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべて彼女は扉の向こうへ消えた。
tn「っ、…どうしてくれんねん、これ」
嫌に暴れまくる心臓に気付かぬふりをして、ふぅーと息を吐きながら自室に戻る。
酔っ払いめ、やってくれたな。
変に火照ってしまった体に頭を抱えながら、ぼふりとベッドに身を投げた。
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
