【A3!】条件付きの恋人【茅ヶ崎至】

彼氏 15 ページ15

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近くのファミレスに寄り、俺はドリアを、Aちゃんは食べてきたと言っていたのでパフェを頼んだ。

沈黙が重く、傍(はた)から見たら朝デートなのに、余りにも静かすぎて仲が悪いのかと思われがちな気がする。

とにかく話題と、思い俺は口を開いた。





「俺、Aちゃんの事あまり知らないなあって思ったんだよね、Aちゃんの趣味って…？」

「ｱｯ、えっと、お、追っかけっこです」

「………ん？」





飲み物を飲もうとストローに口付けて俺は固まった。

成人済みの女性が子供と混じって追っかけっこしてるのかな、そうだよね？
俺の話題ミス？
めちゃくちゃ意外なんだけど。
え？俺どんな対応すればいい？

俺の間抜けな声で彼女は顔をどんどん赤くしていき、「違うんです！私アウトドア派じゃないんです！！信じてください！」と身振り手振りで否定された。

俺もすかさず「そうだよね、ちょっとびっくりした」と微笑んだ。
ちょっとってレベルじゃないんだけど、Aちゃんは子供が好きなのかなって考えてしまう。

そんな彼女は手で顔を覆い尽くし、「しにたい…やばい無理ほんとに…うぅ、」と呟いていた。


こんな感じのAちゃんを見ると、会社にいるときのAちゃんとは全然違うな、って思う。
意外と天然で、恥ずかしがりやで、何気に大胆。
オシャレすれば結構可愛いし、スタイルもいい。
むしろ俺を好きになるなんて勿体無いな、と思う。

そうこうしてるうちに、注文の品が届き、食べる事にした。
Aちゃんは「美味しそう…」と呟き、写真を一度だけ撮ると直ぐに食べ始めた。

一成もよく写真を撮るけど、いろんな角度から写真撮っていたので、ちょっと意外だなと思い、「一回だけでいいの？」と、声をかけた。





「あ、本当はいろんな角度から撮りたいんですが、それよりもパフェが食べたくて…、食い意地はってるんじゃなくて！！美味しそうだから！です！！」

「ははっ、まだ何も言ってないのに、」





からかわれると思ったのか、直ぐに訂正する。
彼女だから可愛いのか、Aちゃんだから可愛いのか、少し分からなくなる。

こういう事ならもう少し、女の子について勉強するべきだったかな。





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