13 ページ13
ドグドグと腕に流れる血液を感じた。心臓がそこにあるみたいだ
傷口には、震える平助の唇
彼は苦しそうに息を吐きながら、私の腕に舌を這わせた
「…っ…」
トシよりも長かった
初めてだからなのか？もしかしたら、たくさん力を使い、日中散々活動していた分の発作が起きなくて、それが一気に今来たからかもしれない
「平助っ」
たまにくすぐったくて、彼の名前を呼ぶ
「…A…」
彼はさっき安定してなくて肩を支えてあげていたのだけど、今は力が付いていてフラフラしなくなった。
なのに、まだ足りないのかな？
「うおっ」
そう思っていた矢先、彼は握っていた私の腕をそっと離し、私の腰に腕を回す
「…へ、平助？」
「…ん」
私に名を呼ばれて顔を上げた平助は、今まで見てきたような平助じゃなかった。
どこか大人びた感じで、男っぽい感じ…？
不意に、ドキッとしてしまう
これが俗に言う、ギャップ萌えというものか
「…A」
彼の赤い瞳からは、感情が読み取りずらかった
腰にあった彼の右腕はそのまま上へあがり、
私の頭の後ろに回った
「…えっ？えっ？えっ？」
平助が舌舐めずりをする
小悪魔系男子！！？
とか訳のわからないことを心の中で叫びながら
「…Aの口、美味しそう、だな」
そう言ったが最後。
平助の顔が近づいてきて、あっという間に唇を奪われてしまった
「……」
訳が分からず放心状態になった
「…ん」
ぬる、と舌が入ってきた。訳が分からない。放心状態。
平助が私の唇を切ったのだろうか。口の中でピリッと痛みが走る。放心状態。
「…美味しい…」
放心状態。
平助が唇を離し、放心状態な私にニコ、と笑う
「…は、はは…は」
笑顔を返してあげた。
最高に不自然な笑顔を。
「…眠い」
「は？」
_____ドサっ
目の前で起きること一つ一つに頭がついていかない。
よし、整理しよう。
今平助は倒れた。眠いと言ってから。スースーと寝息が聞こえる。うん。寝てるわ
「あは、寝顔かわいっ」
平助の頬をツン、と結構強引につついたあと
「……」
停止して、
「…よし、」
立ち上がって、
「…失礼しました」
襖を閉めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青椿(プロフ) - 全部、読ませていただきました！更新、頑張ってください！そして、ちょっとでいいので文才を分けてください…。（笑） (2017年7月8日 23時) (
レス) id: 3c821da097 (このIDを非表示/違反報告)
めいさい - この作品大好きです！うるっときました！そしてギャグがすごくおもしろいです(*≧∀≦*)頑張ってください。 (2016年12月16日 21時) (レス) id: 3c799ac5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - ヘムヘムさん» 更新停止気味で申し訳ない気持ちでいっぱいです…。ありがとうございます！とても励みになりました！ (2016年10月10日 16時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
ヘムヘム - この作品,全部読みました！とても面白いです！惹きつけられました！！これからも,頑張ってください！ファンとして応援してます！！！！ (2016年10月10日 13時) (レス) id: 678d5df645 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ドラごん | 作成日時：2016年7月12日 21時
