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私が静かな声で言うと、彼の体がピクッと動いた
「自分の大切な人と一緒にいたいんでしょう？」
「大切な人といっ、しょ…に」
薫の瞳が揺れる。彼の座り込んでいる地面には、黒いシミがぽつぽつと出来ていた
「…薫」
座り込む彼と背丈を合わせるように、私は薫の前にしゃがみ込んだ。そして、泣いている彼を慰めるように、頭を撫でた
「やめ、ろよ」
そう言いながら顔を上げた薫の瞳には、光が宿っていた。かれはふてくされているようだったが、少し笑っていた
ごめんね。今まで逃げちゃって
もっと早く、こうしてあげればよかった
でもこうやって言ってあげるには、私自身が強くならなくちゃいけなかった
全てを、許せるくらいの心のゆとりがないとダメだった
「ふふ、今さら反抗期？さっきまでベタベタだったのに」
「…うるさ、い」
最後にポンポンと二回、彼の頭を撫でると私は立ち上がる
「薫、約束しよう。次は、私が薫を迎えに行く番だ」
「…え？」
「この時代が落ち着いたら、みんなで一緒に暮らそう。薫の大切な人達と、一緒に暮らそう」
まだ座り込んでいる彼に、手を差し伸べた
「私にはまだ、やることがある。それはいつ終わるかはわからない。でも、絶対、迎えに来てあげる。約束」
彼は不安そうに一度、瞳を揺らした。
もし私が、自分を迎えに来なかったらどうしようと思ったのかもしれない
だけど、ゆっくりな瞬きの後、その瞳は希望に溢れるものに変わっていた
「たまに会いに行ってもいい？」
「もちろん！待ってるよ」
彼は嬉しそうに微笑んで、私の手を取った。私も嬉しくなっ頬が緩んでしまう
そして薫はこう言った
「約束。絶対来てよ」
__________
その後、私のことは血相を変えた左之が見つけてくれ、無事隊に合流することが出来た
私がいない間の隊の戦は、なんとか上手くいったようで、みんな嬉しそうだった。久々の勝利だったため、夜はどんちゃん騒ぎ。楽しかった
「…A、話がある」
騒いでる最中、いつもその中心にいるような二人、左之と新八が真剣な顔で言ってくるものだから何事かと思った
他のみんなも驚いていて、一瞬その場がシーンとなった。平助を見ると、彼もまた何か事情を知っているようで。
「おいお前ら！なに拍子抜けた顔してんだよ！飲むぞ！飲め飲め！」
彼ら二人に頷いた平助は、兵士達に元のように騒がしくなるように促した
また聞こえ始める楽しそうな声と対照に、私は嫌な予感がしていた
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ドラごん(プロフ) - にわかさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2016年7月12日 21時) (
レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
にわか - 更新頑張って下さい応援してます！ (2016年7月12日 21時) (レス) id: 273458644d (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 睦月 雪さん» そう言っていただけて、とても嬉しいです！最近本当に忙しく疲れてしまって全く更新ができていませんでした…。一気に更新が来ると思うのでもう少々お待ちを！本当にコメント嬉しかったです。ありがとうございました (2016年5月25日 0時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 雪(プロフ) - すごく好みの作品です！読んでいて飽きないし楽しいです。更新がんばってください！楽しみにしてます！ (2016年5月24日 23時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 燐ﾀﾛさん» ありがとうございます！！頑張りますねっ！！ (2016年2月16日 22時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドラごん | 作成日時：2016年1月16日 11時
