はじめまして 【白】 ページ41
視線が気になる。
木にもたれかかって本を読みながらそう思った。ここに来ればいつも一緒にいる黒髪を三つ編みに束ねたあいつは見つからなくて。まあ確かに、元々今日は来る予定じゃなかったからなあと宮殿内の書庫から拝借した本を片手に廊下を歩いていたあたりから気になってはいたのだけど。
そろそろ視線で穴が空きそうだ。
おかげで文字を読み進めることすらままならないし、せっかく借りてきたというのに読了しないで帰る時間になってしまう。こんなことあっていいのだろうか。いやダメだろう(反語法。最近本で読んで知った)。
「……はあ」
「っ！」
ため息を吐けば、視界の隅で小さな体が揺れた。…………いや、そんなに小さくないけど。むしろあたしより大きい気がするけれども。
「え〜っと……なにか用？」
本を閉じずに気まずく視線を向ける。柱の陰に隠れる彼は、一瞬固まって恐る恐る姿を現した。
黒い髪にオッドアイ、顔には火傷の痕。
……誰だっけ。見かけることはあるけど名前までは知らん……っていうか、あたしジュダルしかここの宮殿の人知らなくない？
「あ、その……」
「えぇっと。ごめん、誰？ 名前が分かんなくて。あ、あたしはAね。よろしく」
悩むより聞くが早いと名前を聞く。人に名前を聞くならまず自分から、と最近オシャレというものに興味を持ち出した村の友達が言っていたから実行してみたのだけど。結果はどうだろう。
「ぁ……は、白龍、です……」
結果は、花丸の満点だったようだ。
おずおずと名前を口にする彼に向けていた視線を細めて横に滑らせた。
白龍、白……白、ね。紅じゃなくて、白。
「あ、あの」
「ん？ なに？」
「あなた、は、誰ですか」
名前はさっき言ったはずなんだけどな。首を傾げてええっと、と呟けば、じぃっと見つめられた。
あれぇ、あたしさっき……あれえ？
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みかん(プロフ) - 了解しました！続きも楽しみに気長に待ってます！ (2019年5月28日 13時) (
レス) id: 7884fe9a14 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - あいさん» お待たせ致しました。リクエスト作品が出来上がりましたのでお伝え致します……！ (2019年5月28日 10時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - みかんさん» 申し訳ありません、先に白龍の分ができあがりましたのでこちらを先に公開致します。続きはもう少々お待ちください……！ (2019年5月28日 10時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - あいさん» 了解です！ 他のリクエストも消化しつつになるので少し遅れますが、ご了承くださいませ…… (2019年5月1日 14時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
あい - そうだったのですかこちらこそすみません (2019年5月1日 11時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユズヒ
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年3月1日 2時
