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孤独と自由にさよならを 13 ページ3

燃え盛る炎。
色んな人の悲鳴。
震える足に、零れる涙。

張り付いた喉は音なんて出すこともできなくて、ただただ口を開いているだけだ。

……気づけば、さっきとは真逆の、静まり返った暗闇の中に自分は一人。
体の奥から湧き上がってきた恐怖に歯を鳴らした。

弾かれるようにその場を離れ走る。
走っても走っても真っ暗闇は続いて。
この世界には自分ただ一人しかいないんじゃないだろうかとさえ思えてきて。

「っれか、誰かいないの!?」

息を切らしながら叫んでも、誰も答えてくれやしない。
それどころか、更に恐怖が湧いてくる。

「っ、あ……ぅ……」

ぺたりとその場にへたり込む。
この世界には僕一人?
私しかいないの?

この暗闇の中に、あたし一人?

パキン、となにかが割れる音がした。


*****


ベッドからずるりと起き上がる影がある。
影……Aは、項垂れたまま視線だけを漂わせ辺りを見回した。

どこだ、ここ。
さっきの暗闇の続き……?

額に大量に浮かべた汗も気にせず、渇いた喉にも気づかず、Aはぼんやりと部屋を眺めている。
途端、何かに気づいたように体をビクリと震わせた。

……ここでも、僕は、一人なの……?

そんなことを考え震える体を半ば無理矢理動かし、ベッドから足を下ろすとそのまま覚束ない足並みで部屋を出て行く。
からり、と渇いた鈴の音が鳴った。

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みかん(プロフ) - 了解しました!続きも楽しみに気長に待ってます! (2019年5月28日 13時) (レス) id: 7884fe9a14 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - あいさん» お待たせ致しました。リクエスト作品が出来上がりましたのでお伝え致します……! (2019年5月28日 10時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - みかんさん» 申し訳ありません、先に白龍の分ができあがりましたのでこちらを先に公開致します。続きはもう少々お待ちください……! (2019年5月28日 10時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - あいさん» 了解です! 他のリクエストも消化しつつになるので少し遅れますが、ご了承くださいませ…… (2019年5月1日 14時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
あい - そうだったのですかこちらこそすみません (2019年5月1日 11時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年3月1日 2時

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