第46話 リミット ページ48
緊張感が増していく試験場の中で、戦いながらAは試験の法則について理解した。
・的に小さく書かれている数字の順番に的を射ること
・間違った順番の的を射ると的はケガレと化し、またその的の射る順番が来ない限りケガレは祓えないこと
・的の数字はばらばらに散らばっており、順番に並んでいるわけではないこと
こんな大きな試験場の中で、いつまで体力や呪力がもつかどうか……
既にAの額には汗が浮かんでいる。
これは、呪力、体力、実戦力、記憶力も全て量ることのできる試験なのだ。
「こうなったら……やってやる!覚えるのは、得意だもの!」
Aは島にくる前も古事記の内容を全て暗記するなど、記憶力には長けている方だった。
既に見つけた【二ノ的】【三ノ的】【四ノ的】を撃ち落とすため、Aは霊符を構える。
もちろんそうはさせまい、と偽物ケガレがAを襲ってくるが、ケガレ達の数字はどれも二桁、三桁台なので、まだまだ祓うことはできないらしい。
無駄な呪力の放出を防ぐために、Aはケガレ達の攻撃をかわすだけにした。
かわしながらの射撃は難しく、3発のうち、1発だけ外れてしまった。
ただ外した的は【四ノ的】だったため、現れたケガレを剣で斬りつけると、ケガレは青く光り元の的に戻った。
そうして数分間ケガレをかわしながら的を撃ち落としたり斬り裂いていると、いよいよ体力も尽き始めていた。
「はぁ…はあ………これで………半分は落としたかな………」
そう思い試験場を見渡すと、最初に現れたケガレも二体しかいなくなっており、撃ち抜いた的の数字も四桁をゆうに超えていた。
《おおー、わずか数分で半数近く落とすなんてすごいねえ☆残りはざっと五分ってとこだけど、頑張ってね〜☆》
スピーカーから有馬の声が聞こえたと同時に、Aは的落としを再開させた。
迫り来る、たくさんのリミット。
体力の限界、呪力の限界、集中力の限界、時間の限界……それら全てが束となって、Aの焦りを呼ぶ。
くそ…こんなところで、止まってはいられないのに!
そう思った時、Aの脳裏におばあちゃんのよく言っていた言葉が浮かんだ。
『Aちゃん……折れてはだめ、絶望してもだめ………人は強いから、嫌なことがあってもね……その後には、きっと良いことがあるから……貴方の信念を貫けけば、いつかきっと報われるから………夜が来たら、朝も必ず来るのと同じように…………』
その瞬間、私は目が醒めた。
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時