第47話 試験、最高潮 ページ49
ああ……………まただ、私はまた、おばあちゃんに助けられたんだね……………
そう思い、Aは剣を握りなおす。
「おっ、目の色が変わったねえ………………」
有馬が言った時、既にAは5つの的を射落していた。
Aは次の的との距離を正確に計算し、どう動くかを瞬間的に判断していく。
最早目に捉えきれないくらい、Aの動きは無駄がなく、速かった。
Aは体力や呪力の消費を最大限抑え、残りの的を2、3分でほとんど射落した。
「これで……………終わらせる!!」
残りの的が二桁台になった時、Aは残り全ての霊符を使って裂空魔弾を繰り出す。
大量の石が弾丸へと姿を変え、残りの的を粉砕した。
粉々になった的が光の粒のようにしてAの周囲に舞い落ちていく。
しかし、Aの瞳には、まだ闘志が宿っていた。
「そりゃあ、まだ………………終わらせてはくれませんよね…………」
光の粒の先で大きな影がうごめく。
《そいつは最後の的だよ〜☆ただ、他のケガレと違って雑魚くないから、死なないでね☆》
目の前に現れたケガレは、今までみた小さいケガレとは比べものにならない程の殺気を放っている。
額には赤く"9999"の数字が刻まれており、どうやら最後の的でありラスボスであるらしい。
ケガレはAをめがけて拳を突き出してくる。
跳んで避けたAだったが、あまりの衝撃波に壁に打ち付けられた。
「カハッ………………!!」
呪装にも限界が近づき、Aは極限状態に陥っている。
Aは砕岩獅子と鎧包業羅を刀に呪装し、目一杯の力を込めて、ケガレに立ち向かっていく。
再び振り上げられる拳を今度は刀の反動を使って飛ばされずに済ませ、拳の上を走って行く。
叩き落そうと振り上げられたもう片方の手を今度は叩き斬った。
そして、最後にケガレの首を切り落とす。
ケガレはあくまでも偽物なのでセーマンは現れないが、一枚の霊符になって床へと落ちた。
試験終了のブザーが鳴ると、有馬が現れる。
「やあ〜、素晴らしいよAちゃん!期待以上だね☆」
「あ、有馬さま………………これで、試験は………………?」
「うん、終了だよ。………って、おっと!」
終了の言葉を耳にした時、Aは糸が切れたように倒れた。
有馬が咄嗟に腕を出して支えた時、既にAは眠っていた。
「ありゃりゃ、随分無防備だねえ…………」
くすりと笑う有馬の腕の中で、Aは気絶したようにすやすやと眠っていた。
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時