第39話 お礼 ページ41
「それじゃあ〜……」
「俺が代わりに頼まれてやるよ。んん?」
そう言って有馬とAの間に割って入ってきたのは天馬だった。心なしか声のトーンが低い。
「天馬様…!」
「おいおい天馬〜、いくら女の子みたいな顔してても、やっぱ僕は本物の女の子にお礼されたいよ〜。」
「誰が女顔だって!?んん!?」
気にしてるのかな………とAは思った。
「ていうかさー天馬ってば最近僕に厳しくなーい?」
「元々だろ。」
「えー?どれもAちゃん絡みなのにかい?」
言われた瞬間、天馬の表情が固まった。有馬はそんな天馬に追い打ちをかけるかのように続けた。
「そういえばねえAちゃん。事件の日にAちゃんを爆発から救ったのも、お見舞いに行ったのも、天馬だったんだよ☆ただでさえ事件の事で忙しかったのに、それはもう毎日毎日…………」
そう言ったところで、天馬が自身の呪装である「貴嚇人義」の剣を出し、剣先を光らせる。
どうやらバラされたくなかったことらしい。
「ひゃー!それじゃあ僕は退散するとしよう!Aちゃんも、天馬にはお礼した方がいいよ〜☆
一っ番心配してたからね〜☆」
「なッ………!」
天馬が珍しく頬を紅潮させていることにも気づかず、Aは有馬に頭を下げて挨拶をした。
そして有馬が視界からいなくなった後、Aは天馬に向き直る。
「天馬様、本当に、いつもいつもありがとうございます……!天馬様の器の大きさ故に、今私はここで修行ができています。いつか必ず、御恩は返させて下さい!」
そう言い深々と頭を下げるAは、本当に成長したと、天馬はつくづく思った。
「まあ……あれだ。とりあえず、体は大丈夫なのか?んん?」
天馬はあからさまに話題を転換した。やはり、暴露されたのが恥ずかしかったのかもしれない。
「はい、体は問題ありません。明日から、修行を再開させて頂きます!学校もですよね!」
「いやいやいやいやいや!問題ありまくりですよね!?」
言ったのは、天馬の後ろにいたいつもの従者だった。
「そんな…私、本当にもう大丈夫ですよ…?」
「いや、駄目だ。キツネ子、お前は明日はゆっくり休め。修行も学校も禁止だ。異論は認めねえぞ………んん?」
少し冷ややかな声で言われて、Aはピンと背筋を伸ばした。
「は、はい!!」
そうして今日は眠りについたAだったが、天馬が再び部屋に様子を見にきてそのまま寝てしまったので、緊張でまるで眠れなかったらしい。
43人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時