第16話 修行再開 ページ18
自分を、自分で包み込むように………………………………
「飛天駿脚!!急急如律令!」
声と共に霊符が光となってAの脚に刻まれる。
「やった………!できた………………………………!!」
「おお!!やったじゃねえか。キツネ子。」
座っていた天馬も立ち上がり、Aの元へ歩み寄る。
「ありがとうございます!天馬様のお陰です!」
そう言って嬉しそうに笑うAの顔は、今まで見せなかった年相応の、女の子らしい笑顔だった。
そういや、笑った顔は初めてだな………………
そんな事を天馬が思っているうちに、Aは他の呪装も成功させていた。
どうやらコツを掴めたらしい。
天馬は少し考えると、Aに声をかける。
「おいキツネ子。今日は特別に俺が稽古をつけてやる。どうだ。んん?」
そう言って腰に携えていた剣を抜き出した天馬の表情は、本気だった。
それに応えるようにAも訓練用の木刀を抜き出す。
「はい、お願い致します………………!」
天馬はフッ、と笑う。
「ルールは、呪装なしの剣術勝負だ、いくぞ!」
「はい!」
声と同時に天馬は飛び出す。Aの元へ胸辺りに剣を突き出すと、Aはそれを受け流し、今度は翻って天馬の手首を狙って斬撃を繰り出す。
天馬はそれを読み、相手の間合いの更に内側に入り込むと、Aの脚を思いきりはじいた。
「うわっ……………………!!?」
まさか剣術勝負で足技をくらうとは思っていなかったAは、為す術なく床に落ちる。
いった………、と呟きながら上を見上げると、天馬が勝ち誇った顔で目の前に立っている。
「やっぱな、お前、足は来ねえとか思ってたんだろ?
そこらへんやっぱ教科書通りってヤツだなぁ。どうせあの"ウカミ"って守護者に教えられたんだろ。太刀筋が良いだけじゃ戦場は生き残れねえぞ。んん?」
思っていたことを全て言われ、Aは肩をしぼめる。
確かにウカミに教えてもらったといっても、実際に対峙していたわけではなかった。
人相手にやったのは、この前が初めてだったのだ。
落ち込んでいるAの様子を見て、天馬が手を差し出す。
「まぁ、焦んなくてもすぐ強くなれるだろ、お前ならな。」
言いすぎたと思っているのだろうか。いや、億が一にもないだろうな。
「………………稽古をつけていただきありがとうございました!」
Aは手を取って立ち上がり、頭を下げる。そして同時に誓う。
絶対、すぐ強くなってやる………!
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あとり - ありがとうございます!大変遅くなりましたが更新させていただきました! (2018年2月13日 0時) (レス) id: ce2f790ea1 (このIDを非表示/違反報告)
(* ´ ▽ ` *) - 続きはまだですか?とても面白いので、更新頑張ってください! (2018年1月28日 15時) (レス) id: 18290c3fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ちっち - あとりさんこの小説大好きなので、頑張って更新してください! (2017年12月29日 9時) (レス) id: d069e4a0a4 (このIDを非表示/違反報告)
あとり - 夜実さん、すみませんでした!ご指摘ありがとうございます!気をつけます! (2017年3月30日 0時) (レス) id: 493c050031 (このIDを非表示/違反報告)
夜実 - 47なのに46になってますよ〜(このコメント消していいです) (2017年3月29日 23時) (レス) id: 180bd39056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あとり | 作成日時:2017年2月17日 7時