ページ ページ14
ミヒャエルが自分とテーブルを挟んで近づいて、三十秒開始がマネージャーの口から聞こえたのを合図に、澪は他のファンと同様、爽やかな笑顔で感謝の言葉を並べていった。
「いつも応援してくれてありがとう。俺の王子様。握手の他に、何か言って欲しい言葉とかあるかな？できる範囲で叶えますよ。」
「じゃア、大好きって言っテ？」
割りとありきたりな返答が来て、無茶なことを言うと思っていた澪は少しだけ驚いたが、すぐに『いつも通り』へと切り替え、客として握手会に訪れたミヒャエルが望んだ台詞を口にする前に、澪はミヒャエルの腕を自分側に引っ張り、耳元で囁いた。
「大好きだよミヒャ。」
やられた張本人、ミヒャエルはもちろんのこと、澪のマネージャーも驚いていたが、マネージャーはしっかりと三十秒という短く楽しい時間の終わりを知らせた。
ミヒャエルは何か思い出したかのようにトートバッグごと澪に渡した。
「はイ！これ澪に上げル！」
「え？あ…ありがと…う？」
てっきりバッグから何かを取り出すと思っていたので驚いてその場で中身を見てしまった。
中には澪が楽屋で食べているマカロンやラスクなどなど…甘いものの数々だった。
「あの〜、保科さん？受け取っちゃって良かったんですか？」
「え？あ！！ヤバ…。」
「あはは、大丈夫ですよ。確か…ミヒャエルさんですよね？同じアイドルですから、なんとか誤魔化せますよ(笑)」
澪は自分の警戒心の薄さとそんな自分のマネージャーの有能さを改めて実感した。
「(ああ、何気にミヒャの照れた顔初めてだな〜…。今日一番楽しかったかも。)」
そんなことを一瞬想いながらも、すぐに切り替え、残りのファンにも楽しみと夢を与え続けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和癒 - ここりどらすさん» 遅くなってしまい、申し訳ないです!!更新いたしました！本当に申し訳ございませんでした！ (2022年9月20日 13時) (
レス) id: c16c5fa71a (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - アルフさん» ワ、ありがとうございます！ 和癒さんの澪くんは【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/2nayu2/】、うちのミヒャエルは【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kokoridora6/】にCSがあります…！ (2022年8月3日 7時) (レス) id: 29de6c45fc (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 和癒さん» 全然！！ 私も最近学校の部誌作るのでてんやわんやしてて… 来週までには落ち着くのでそしたらまた書きます！ (2022年8月3日 7時) (レス) id: 29de6c45fc (このIDを非表示/違反報告)
アルフ - すみません、、とても面白かったのですが、出演しているキャラクターの設定などはありますか？いきなり質問すみません！ (2022年8月2日 10時) (レス) @page21 id: c16c5fa71a (このIDを非表示/違反報告)
和癒 - ここりどらすさん» 遅くなってしまい、申し訳ないです!! (2022年8月2日 8時) (レス) id: f702b299fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
