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ずんずんずん。
先輩に腕を引かれ前へ前へ進む。
「………っ!!!!!!、〜〜〜っ、……!!!!!!!!!!!!」
正直、恐怖でしかない。
このドキドキはあの幸せなドキドキじゃない、ガチで苦しいドキドキの方。
昔だったら喜んでついて行ってるだろう。
「こっち」
そう言われてドアを出たら、そこは外。
人の気配はあまりない。
ぴた、と先輩の足が止まった。
「…ごめんな、強引に」
腕を離され、こちらを振り返って言った。
「でも、やっぱ気まずいままじゃ」
_______________真面目。そこも変わってない。
いっそ知らんぷりして欲しかったけど、1番の解決策はちゃんと話せるようになることだろう。
「その…え、っと、さ……」
そうだよね、先輩、なんて言ったらわかんないよね、ごめんなさい。
うーん、うーんと唸る衣更先輩。
だめだ、私がなんとか言わなきゃ。
…でもなんて?
「佐藤はこれからプロデューサーとしていろんなアイドルをプロデュースすると思う、から
きっとTrickstarも…俺も佐藤にお世話になるはずだから、さ」
言葉の選び方が優しい。逆でしょ、私がお世話になるの間違いでしょ。
「なんて言ったらいいのかわかんねーけど…」
困らせてしまっている。
やっぱり、あの噛み噛み告白のこと?
「気にしてないから、はなんかおかしいよな、えーーーっと…」
頭をがしがしと掻きながら言う先輩。
____________私がちゃんとしなきゃ、事の発端は私なんだから…!!
「あの!!」
「!? お、おう?」
大きく息を吸って。
「私あのとき、好きでしたって言いたくて!!
で、も!!緊張して、あんな、になって!!」
このプライドは捨ててもいいプライドだ。
今はいらない。
「まさか転校先に衣更先輩がいるなんてって…
びっくり、して、だから、その…避けて…
ごめんなさい…」
深く、今までしたことないくらい深く頭を下げた。
顔を上げらない。
_____________先輩、何か言ってください!!!!
そう願って、聞こえた言葉は。
「…変わってないなあ」
懐かしむような、すごく優しい声。
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さかな(二代目)(プロフ) - 作品読ませてもらいました!!首を長くして待ってますね! (2023年3月30日 16時) (レス) @page40 id: 9e11fcf3bc (このIDを非表示/違反報告)
なな - 衣更くん超好きです!!!それに加えて梶さんボイス、、、、この作品に感謝です!!コメント失礼しました! (2019年12月2日 11時) (レス) id: 1759c02e87 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 舞華さん» わかります…ちょうかっこいいっすよね…だからこそ我らはこのステキな小説を見ているのですよ… (2019年10月4日 19時) (レス) id: 42841d36f6 (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - 真緒くんむっちゃかっこいいですよね!すっごい共感します! (2019年8月26日 16時) (レス) id: 536eb77c6b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃさん(プロフ) - みかん星人さん» んんん分かります分かります...こんなに衣更真緒で共感できた方初めてです嬉しいです!!!! (2019年8月17日 9時) (レス) id: 94c95b6fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃさん | 作成日時:2019年7月21日 0時