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「お見苦しいものを見させてしまって申し訳ないです…」
はぁぁぁぁぁカッコ悪い。
先輩のなかでの私はきっとダサい女になってるんだろう。
「そ、そんなに落ち込ませるとは思ってなかった」
「だって!よりによって衣更先輩に!」
思わず顔に付けていた氷嚢を顔から離してしまった。
そして、合ってしまう目と目。
う、わ
ど、しよ、…
「…俺の事、知ってくれてたんだ」
ふわりと微笑む衣更先輩。
どくんと大きく高鳴る鼓動。
「……そ、りゃ
みんな…知ってます、よ」
「はは、そうかもな
我ながらけっこう前に出てるし」
やめて、この距離で笑わないで、死んじゃう
「なんで佐藤はいつもキャプテンに怒られてんの?」
先輩は少しいたずらっぽく笑って聞いてくる。
だめ、その顔も。きゅん死する。
てか佐藤って。佐藤って呼ばれた。
しかもその質問は答えられないやつ。
「ひ…ひみつです」
「ふ〜ん?」
今度は口を尖らせた。うわあなにそれかわいい。
さっきから先輩の新しい表情をたくさん見ている。
なんだか瞬きすらもったいない。
「あ、ほら
ちゃんとそれくっつけとかねーと」
私の手を掴んで氷嚢を顔にもってくる。
____________ほげぇぇぇええ!!!!!!!!
手!!手!!手ぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「大丈夫?冷たすぎて痛くないか?」
「ふ、あふぁい……っ」
「あふぁい…(笑)」
もう意識が飛びそうだった。頭がまったく回らない。なにこれ、夢???
「それにしても先生こねーなあ」
先輩のこの一言で、はっとする。
「す、すみません!もう私大丈夫なんで先輩は部活戻ってください」
完全に忘れていた。今は部活中だった。
「本当にありがとうございました…!」
さすがにお礼言うときは目見なきゃだよね
__________しかし、手は先輩に掴まれたまま。
無理やり手を動かすのもなんだか気が引けて。
ふと、しんと静まる保健室。
あれ…先輩、何も言ってくれない
「衣更…先輩?」
そう声をかけて数秒。
「…んー」
聞こえたのはつまらなさそうな先輩の声。
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さかな(二代目)(プロフ) - 作品読ませてもらいました!!首を長くして待ってますね! (2023年3月30日 16時) (レス) @page40 id: 9e11fcf3bc (このIDを非表示/違反報告)
なな - 衣更くん超好きです!!!それに加えて梶さんボイス、、、、この作品に感謝です!!コメント失礼しました! (2019年12月2日 11時) (レス) id: 1759c02e87 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 舞華さん» わかります…ちょうかっこいいっすよね…だからこそ我らはこのステキな小説を見ているのですよ… (2019年10月4日 19時) (レス) id: 42841d36f6 (このIDを非表示/違反報告)
舞華 - 真緒くんむっちゃかっこいいですよね!すっごい共感します! (2019年8月26日 16時) (レス) id: 536eb77c6b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃさん(プロフ) - みかん星人さん» んんん分かります分かります...こんなに衣更真緒で共感できた方初めてです嬉しいです!!!! (2019年8月17日 9時) (レス) id: 94c95b6fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃさん | 作成日時:2019年7月21日 0時