二十三香 ページ25
「否ァ、突然の訪問吃驚したねェ。」
太宰さんの飄々とした能天気な声を引き金に、意識が段々と此方へ戻ってくる。
……何かこの余裕苛ついちゃいましたね、はい。
『そうですね、私も貴方の事が坂口さんに悟られないかひやひやしてましたよ。』
冷や汗ってこんなに掻くものなんですね、と。
心臓も喉から飛び出そうなくらい跳ねてた。
私が安堵の溜め息を吐き乍ソファに再び座り込むと、まだ水を飲んでいる太宰さんが棚に持たれながら尋ねてきた。
「何でバレたくなかったの?」
『……そりゃ、何か幹部と疚しい関係だとは余り良い印象にはならないですから。』
そもそも説明が面倒な今回の件は、余り上層部以外には漏らしたくないのだ。
そして何より、太宰さんの幹部としての面を汚したくないから、と云うのが一番大きいのかもしれない。
「んー、でも先刻の安吾、多分気づいてたよ。」
『え?』
「私が此処にいたってこと。」
当然のように話す太宰さん。
一方私は驚きの表情が隠せない。
ん?坂口さん、一体如何云うことだい?
そして太宰さんと坂口さんは知り合いだったのかい?
随分と呼び方に親しみが出ている。
「ほら、だって"さっさと"って言葉を使ったでしょ?
普通だったら何かしら理由をつけて素早く戻るとか云うのが安吾だよ。」
そうか、真面目な人に限ってそんな急速に話を進めたりしない。
何時もの彼ならまだまだ、「いえいえ、別に___」と会話が程々に続くのだが、今日に限って何も云わずに去っていった。
『あぁ……嘘だ………。』
「うふふふふ。安吾は口は堅いから安心すると良い。」
安心してと?
貴方が云うと微塵も安心できないのが事実です。
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H×Hの配信開始をまだかまだかと待ち望んでいるうさぎです。
…ゲームしてるから更新遅れんだよ、ばーか。
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ゆら(プロフ) - 棒緑カエル軍曹ってあれですよね!?あれ私も大好きです!! (2023年2月16日 20時) (レス) @page45 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - イージストさん» ご意見ありがとうございます。えと、少し考えてみます笑私もこの作品が好きなのでそう言うような形で続けられれば嬉しいですし。 (2019年2月27日 16時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
イージスト(プロフ) - これの中也バージョン見たいかも (2019年2月27日 15時) (レス) id: d35fbbbafd (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 博識のうさぎ(仮)さん» これからも、様々な小説で陰ながらこっそりと拝見させて、応援させて頂きます! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 09928c8e9d (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - サキさん» ありがとうございます!更新頑張ります!こちらこそここまで読んでくださりありがとうございました! (2018年12月10日 20時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月14日 9時