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二十二香 ページ24

アァァァァァア!!

坂口さんナイスプレーです…!

と、心の中で叫び喚き散らすのと裏腹に、取り敢えず太宰さんの気に触れないよう、表情筋を一時的にニート化させる。

然し、何と良いタイミングで来てくれたのだろうか。


「…?室生さん、大丈夫ですか?」

『え、ああ、ごめんなさい!
 少し待ってください。』


チラリと太宰さんに訴えるように視線を移すと、満面の笑みで返されてきた。

否、そんな笑顔で訴えられましても、坂口さんに迷惑ですからね。

然し両者共に一向に折れる気がない。

そしてとうとう、私が溜め息を一つついて折れた。


『………………判りました、今夜貸しますから。』


そう云うと、何の一言もなく唯素直に私の上から退いた太宰さん。

え、うそん。

然も何か口パクで「約束だよ?」とか云い残して水を飲みに行った。

嵌められてね?今日だけで軽く十は嵌められてね?

あっは、家出しようかな!(※まだ2日目です)


ソファから降りて扉へ向かう。

太宰さんが私の邪魔をしに来ないことを祈って扉を開けた。


『ごめんなさい、先月の最終資料ですよね。』

「ええ、予定より少し遅れてしまいましたが……。」


決して自分を上げない、教授眼鏡が印象的な彼は名を坂口安吾と云い、私と同じ会計事務で毎日パソコンさんとにらめっこしている。

私よりも遥かにレベルの高い社蓄様だ。

と云うか遅れたとか云ってますけど、予定が恐ろしく早かっただけですからね!?

今日でも十分功績をあげたい程の速さなのに…。

末恐ろしいよ全く……。


『否々、貴方の資料は何時もミスがないのでありがたいですよ。
 態々足を運んで頂きありがとうございました。』


資料を彼の手から受け取って、頭を下げる。

本来此処まで来なくても、まだまだ時間は在るんだから「偶々出逢った時に」渡してくれても構わないんだけどなァ。

因みに私が伯父様に渡すときは家でした。


「其では、僕はさっさと失礼しますね。
 すみません、失礼しました。」

『はぁい。』


パタン。

凡ての事が一度片付いた事を知らせると云わんばかりに扉の閉まる音は静かな部屋に響いた。

あー、緊張した。

太宰さん水飲んでたけど此処に太宰さんがいることを坂口さんに悟られていなかったようで安心した。

幹部がね、こんな所にいたらね、何してんだお前ってなるからね、其処は大事よ、うん。

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ゆら(プロフ) - 棒緑カエル軍曹ってあれですよね!?あれ私も大好きです!! (2023年2月16日 20時) (レス) @page45 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - イージストさん» ご意見ありがとうございます。えと、少し考えてみます笑私もこの作品が好きなのでそう言うような形で続けられれば嬉しいですし。 (2019年2月27日 16時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
イージスト(プロフ) - これの中也バージョン見たいかも (2019年2月27日 15時) (レス) id: d35fbbbafd (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 博識のうさぎ(仮)さん» これからも、様々な小説で陰ながらこっそりと拝見させて、応援させて頂きます! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 09928c8e9d (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - サキさん» ありがとうございます!更新頑張ります!こちらこそここまで読んでくださりありがとうございました! (2018年12月10日 20時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年8月14日 9時

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