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あのお祭りから五日が経った。
あれからクラスメイトは至極普通で、あの日はただ祭りの熱に浮かされただけだったんじゃないかとも思えてくる。
今だって自習であるのをいい事に、彼は教室の机に足を乗せて携帯をいじっている。一応授業中ではあるのだが。
「Aー、暇だし裸でグラウンド三週してきてよ〜」
「俺は課題の相手で忙しいんですけど…」
「僕が暇なの!ひーまー!ひーまー!ひーまー!」
「はあ…」
「四時間自習続きっておかしくない?僕退屈で溶けちゃいそう」
今日はたまたま任務や先輩方の実習授業と重なって、先生たちは出かけているようだった。
「あ。いいこと思いついた」
騒がしくしていたと思ったら途端に静かになる。
その流れに嫌な予感を感じない方がもはや不自然だった。
「A。
「都市伝説?」
「ほら、この校舎のずぅーっと東側、第三呪具庫の近くに鳥居があるでしょ?なんでもあそこには、菅原道真が封印されてるらしい」
「えぇ!?菅原道真って、あの?」
「あの。今日は先生が出払ってるし、やるしかないっしょ」
どうしてこう、嫌な予感は当たるんだろうか。
俺の嫌そうな顔につられてか、彼の笑みも影を濃くした。
───
「よし、A。手順は説明した通りだ」
「…本当に俺からやるんですか」
ここに来る道中、彼から教えられた手順を頭に思い浮かべる。それほど難しいわけでもなかったが、それが逆に怪しい。
「大丈夫さ。いざって時は、僕がいる」
なんでだろう、イマイチ信用出来ないんだよな。
「…それじゃ、行きますよ」
第三呪具庫を背に立つ。目の前には高専内でよく見かける石敷きの広場。その広い広場を抜けた先に、ひっそりと鳥居が佇んでいる。
ふぅ、と軽く息を吐いて歩みを進めた。
前に七歩
右に四歩
前に五歩
左に二歩
前に十九歩
その地点で、ある呪文を唱えると封印が解ける。
その呪文は───
「……っ、わん………」
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砂漠 - エレナさん» ありがとうございます!そう言って頂けるととても励みになります(●︎´▽︎`●︎)これからも楽しみに思っていただけるよう頑張るので、ぜひ最後までお付き合いください、、、(_ _*)) (2022年4月2日 11時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
エレナ(プロフ) - この作品大好きです!続きが楽しみです! (2022年3月26日 21時) (レス) @page16 id: 806542db6b (このIDを非表示/違反報告)
砂漠 - お餅さん» まーたやりました。今日何回目ですか、私!!1個下のコメントはお餅さんへの返信です、、、失礼しました、、、お餅さん、コメントありがとうございました✨ (2022年1月1日 15時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠 - コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう、更新も頑張っていきたいと思います٩(ˊᗜˋ*)و最後までお兄ちゃんを応援してあげてください(_ _*)) (2022年1月1日 15時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠 - あいすくりぃむとちょこれぃとさん» いや、私もタイトルとの温度差は感じていたんですよね、、、ですが地獄を見たというお言葉に笑ってしまいました😆最高の褒め言葉ありがとうございます!お兄ちゃんには幸せになって欲しいですね、、、頑張ります🔥 (2022年1月1日 15時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂漠 | 作成日時:2021年12月11日 11時