え、おまえら付き合ってんの？？？【あんさん腐るスターズ！】【短編集】

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(うそうそうそうそ！うそ……だよね、)









嫌な予感に涙が溢れそうだったが、何とか抑え違うと信じて扉を覗く。









「いや………」









ボクが見た光景は。

複雑にまぐわう日々樹センパイと、朔間センパイと。









「……英智様っ…」









あんなもの、見たことない。

あの優しくて、王子様みたいで、かっこいい英智様が。


渉、渉と呼ぶ男の迫力。

それに顔を赤らめる日々樹センパイ。

こんなもの、見たくないのに。

足が縛られているかのように動かない。









「失礼します、坊ちゃま」




「…！？ゆ、づる……？」




「見てはいけません、坊ちゃま。あんな汚らわしい方々」









いつのまにそこにいたのか、弓弦に背後から手で目隠しされる。

手を引いてその部屋から遠ざかって行くのが暗闇で視界が閉ざされていても分かる。

部屋から離れ、急に視界が明るくなり、眩しさに目を細める。

弓弦は黙ってボクの手を引き、ボクたちの部屋に身を滑らせた。









「坊ちゃま」









部屋に入るなりボクを呼び抱きしめる弓弦に、涙が溢れて止まないボク。









(そうだ、ボク、今度こそ完璧に失恋しちゃったんだ………)









好きだった。

あの優しい英智様が、まさか、あんな。

でも、英智様は神でも純潔な聖職者でもない。

朔間センパイだって、日々樹センパイだって。

みんなみんな、ただの本能に逆らえない動物なんだ。

ボクは泣いた。

いつまでも、いつまでも弓弦の腕の中で。









○

楓架さんリクありがとう！

もう一個も消化するから待っててね！

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