白（黒）人魚は二重人格！？ (ページ18)

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16話ページ18

寮に帰ると、イソギンチャクが頭から生えた人達が、たくさんいた。

『こんなにも契約してたのか……』

僕は契約の宣伝はしたものの、何人がどんな契約したかなんて知らない。
そういう難しいところは、アズールくんたちにお任せしてある。
僕はあくまでも、アズールくん達のお手伝い。
知らなくていいことには首突っ込まないし、手伝えるところは全力で手伝うそれが、僕。

数分後、モストロ･ラウンジは、頭の上にイソギンチャクがたくさん生えた人達で溢れかえっていた。

2人を除いては……かな。
2人のうち片方が、監督生だったような気がして、嫌な予感が過ぎった。

足早にアズールくんたちの元へ向かった。
僕がステージ付近に着いたのを確認すると、辺りがぱっと暗くなり中央のステージに、光が灯る。

｢これはこれは。成績優秀者上位50名からあぶれた哀れな皆さん。ようこそ、モストロ･ラウンジへ｣

アズールくんの演説が始まる。

｢みなさん僕のことはよ～くご存知でしょうが、改めて自己紹介を。僕はアズール･アーシェングロット。オクタヴィネル寮の寮長であり、カフェモストロ･ラウンジの支配人であり、そして……今日から君たちの主になる男です。｣

とても、楽しそうに話すアズールくん。
なんか、生き生きしてて、可愛いなとか。
思っちゃったりしてた。

｢君たちは僕と勝負して、負けた。これから卒業までの間、僕の下僕として、身を粉にして働いて貰います。｣

なるほど…そういう契約だったのか。
アズールくんのために使えそうな人材が、この中にいるといいなーと思っていると。

｢ちょっと待った｣

オレンジ頭が声をあげた。
あいつは……どっかで見たことあるなぁ
多分同じ学年だったかな？

｢こんなん詐欺だろ！｣

｢たしか君は、1年生のエース･トラッポラさんでしたね。詐欺だなんて人聞きが悪い。｣

あ、そうだ。
エースってやつだ。
よく面倒事を起こすと噂で聞いていた、監督生の近くにいるやつ。
……嫌な予感が大きくなってしまったな。

と、考えている間にも、面倒事に巻き込まれやすい人達が、ブツブツと文句をアズールくんに言っていた。

監督生の使い魔？に、目にスペードがついてるやつ。
これは、要注意だな。