047.Brother ページ49
最後の一言を言ってから、一郎さんは恐い顔をしている。何か考えているのだろうか。
一郎「っとわりぃ、考え事しちまった。」
A「いえ、お気になさらず。むしろ忙しい中わざわざお時間をとらせてしまい申し訳ございません。依頼たくさんきているんですよね」
一郎「なに言ってんだ、俺は萬屋ヤマダの経営者だぞ?こんぐらいできなくてどうすんだよ」
と優しく微笑んでくれた。誰もを包み込んでくれそうな優しい笑顔。
こんなお兄さんを持って、弟達は幸せものだろうな...
優しいお兄ちゃんがいて...相談に乗ってくれて...たくさん遊んでくれて...時には注意してくれて...いつも笑顔にしてくれて...
一郎「...お、おいっ、どうした...」
A「...何がですか?」
一郎「何がって、、お前泣いてんじゃねぇかよ、自分で気づいてねぇのか?」
A「うそっ、ごめんなさいごめんなさい!別に一郎さんが悪いわけじゃないんです!ただただ私が記憶を遡っていただけなんです!」
いやいや、気づかない間に涙がでることって本当にあるの?小説でしか見たことがない。申し訳ない
一郎「謝んなって。まだなにか辛いことがあんのか?」
A「いえ、これは苦しい記憶じゃないんです。とても、とても優しくて暖かい記憶なんです」
一郎「?」
A「実は、私にもお兄ちゃんがいたんです。一郎さんみたいに私の話をしっかり聞いてくれて、優しく微笑んでくれてたんです。それで重ねてちゃって...」
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作者名:白虎 | 作成日時:2018年8月8日 11時