何度でも (ページ16)

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「確認だけど、スキャバース…ロンのネズミが、実はペティグリューだったってことよね」

「おそらくね」

日が沈みかけ、生徒の外出が禁じられる時間になったころ、2人は暴れ柳へと走っていた。

ルーピンの声は、感情を、怒りを押し殺すような、そんな声だった。

それもそのはずだ。彼は、ペティグリューの裏切りでジェームズとリリーを亡くし、罪を被せられたブラックをも失った。1人で孤独だったのだ。今日まで、ずっと。

ルーピンは杖を振り、暴れ柳の節に枝を当てた。すると、暴れ柳がぴたりと止まる。2人が急いで中に入ると、なにやら上の階で声がした。

「ここよ！私たち上にいるわ──シリウス・ブラックよ──早く！」

ハーマイオニーの声だった。

助けなきゃ。それよりも、ブラックがいる、その気持ちの方が大きかった。やっと会える、彼に。

ルーピンが勢いよくドアを開け、それに続く。しかし、狭い入り口ではルーピンの背中で中が見えなかった。

部屋の中を見て状況を判断したルーピンが杖を振り、ハリー・ロン・ハーマイオニーの杖を捕ったことだけわかった。