何度でも (ページ2)

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Aは「前世の記憶でなんとかなるでしょ」と思い、入学前になんの予習もしてこなかった。

Aが住んでいた小さな村は、マグルが多く住んでいる村であり、魔法使いはAの家だけであった。

だから、何も知らなかったのだ。Aが死んでいた間、魔法界で何が起こっていたのかを。

「…ジェームズ？」

ぼさぼさの黒髪にメガネという容姿は旧友そっくりで、そんなはずはないとわかりつつも、その名を呼ばずにはいられなかった。

ジェームズそっくりの少年の耳にその名は届かず、「えっと…何か言った？」と彼は振り返った。

あ、目は緑色なんだ、リリーそっくり。

「…綺麗な目の色をしていると思って」

咄嗟に出た言葉だったが、これは本心だ。
リリーそっくりの、緑色の目。Aは彼女の目が大好きだった。

まるで、エメラルドのようだと思った。
優しく、信頼に応え、知性のあるエメラルドに。

この優しい双瞼に見つめられたとき、彼女に隠し事はできないと思った。
どんなに隠そうとしても、結局打ち明けてしまうのだ。彼女の澄んだ目には、不思議な力があった。

少年はきょとんとした後、「あー…ありがとう」と照れくさそうに笑った。

そして、マクゴナガルが「ポッター・ハリー！！」と叫んだ時、少年は「じゃあね」と言って前に進み出た。

「…ポッター？」