【文スト】月下の桜は今日も微笑む

6枚目 ページ8

過去の話でもすると思ったか？残念、しないよ。
だってここで過去のお話なんてしたら太宰さんがヤバい。


絶対涙腺崩壊コースだよ。
流石に可哀想だからね、やめとく


『私が変わってないのは本当。何もしてないもの。だから何も変わってない』
「何もしていなくても人は変わるものだと思うよ、私は」


だって私はそうだもの、と太宰さんは云う。でも……


『太宰さんは人を助けているじゃないですか。私は…違うから』
私は今までずっと暗闇に居たから、人を救うなんてことは出来ない。


私には、光の世界の事なんてさっぱり解らないから。




「私だって、昔は……おおっと」


こんな事云い合っても話が進まない。
とりあえず太宰さんの胸にダイブした。身長が気になるけど。


「君がこんな事してくるとは思ってなかったよ」
どうだ羨ましいか(ドヤァ)


……なんてね。


『太宰さん、眠いです』
「そうかい、君は何だか自由になったね…」


そう云う太宰さんだってふわぁ〜と欠伸をしている。無駄な女子力と包帯だな。


「あ、そういえば。君は何時から私の事を太宰さんと呼ぶようになったのだい？」
昔は「太宰、ちょっと殴らせろ」なーんて物騒な子だったのに。と膨れっ面をしている。女子力。


『何時から、なんて云われても……』
「あと敬語もだよね。うーんと、確か…最後に君と会ったときはタメ口だったから…」
『呼び方なんて、そんなに気にする事じゃないですよ』


「じゃあ昔と同じように呼んでくれればいいのに。」
あ、物騒なのは嫌だよ！と慌てて付け足す


呼び方なんて、どうにもならないけれど。
『これは……私なりの＿＿＿だから……』


貴方の＿＿＿＿＿＿、私の。
そっと瞳を閉じる。


まるで、思い出を閉じ込めるかのように＿＿＿＿＿

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