【文スト】月下の桜は今日も微笑む

46枚目 ページ48

中也はもう私に突っ込むのをやめたらしい。
「最後に教えろ。態と捕まったのは何故だ？此処で何を待っていた」


どうせろくでも無い事考えてるんだろ。和風ロリの事とか！
という思考を頭の中に広げながら太宰さんを睨む。
…だが彼は黙ったままだ。


「だんまりか」
いいさ、拷 問の楽しみが増えるだけだ。と中也が太宰さんを脅す。


「……一番は、敦君についてだ」
「敦？」
『探偵社の後輩だよ、私にとっては先輩だけど。えっと…人虎、だと分かる？』


親切に教えてあげた。


「彼の為に七十億の賞典を懸けた御大臣が誰なのか知りたくてね」
『あ、それ私も知りたい。七十億なんておかしいもん』


どうせなら百億にしよーぜ。百億だったら私が貰いに行くのに…
え？賞金の量の問題じゃない？いや、大事な問題だと思うのだけど。
だって金だよ？マネーだよ？世の中は顔か金かなんだよ！？


それで全てが決まってしまうんだよ！？
「おい、手前は先刻から何処を向いて喋ってんだよ」
『何？何か云った？』


うわ、中也イライラしてる。太宰さん後でぶん殴る。
『ところで、今何の話してるの？』


真面目に話聞いてなかった。どや
「明日、五大幹部会があるって話だよ」
『え？首領そんな事云って無かったけど？』
「え、君森さんと話したの？」


『今更でしょ。戻って来たら幹部にしてあげるって勧誘されたよ』


そう云うと露骨に嫌そうな顔をする太宰さん。
「それで、何て返事を…」
「何回目だよ！無視すんじゃねぇ！！」


中也の怒りがそろそろ爆発しそうな状態になっている。やらかしたな。


『返事は……何て云ったっけ？』
「何て云ったとしても戻る気なんて無いんだろ」
『無い』


一寸は否定しろよ…と此方を見てくる中也。
『じゃあ…上司が使い物にならなくなったらマフィア戻る』


そう云って太宰さんの方を見る。
「え？上司って私？」


当たり前じゃないか。

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