【文スト】月下の桜は今日も微笑む

44枚目 ページ46

『そういえば中也…私、半年間どっかの小競り合いの鎮圧に行ってたって聞いたんだけど…』
一番疑問に思っていた事を聞く。先刻の事は忘れなければいけない。


「それを聞くんじゃねェよ…というか、あの時のはやっぱ手前だったのか！」
喧嘩売ってきやがって…と睨んでくる中也。


「ごめん、二人とも私の前で私の知らない話で盛り上がらないで」
一寸傷付く、と膨れっ面をする太宰さん。ムカつくから殴ろうかな…


そう考えていたら中也がいきなり壁を蹴り出した。
『うっわ瓦礫が飛ぶっ…！』


慌てて二人から離れた場所まで移動する。
幸い瓦礫で怪我をするという事は無かった。そんな鈍臭い事しないけど。


そしてどうやら戦闘のお時間のようです。


『え、なになに？喧嘩？』
「蛞蝓みたいな低レベルな事しないよ。それより…」
「おい！無視すんな！！」


そう云って太宰さんに殴りかかる中也。私は離れたところに居るから無事だよ
それを辛うじて受け止める太宰さん。キツそうだなぁ…がんばれ。


後、因みにだが私の体術の腕前は…多分太宰さんには勝てる位だと思う。
え？知りたくなかった？そんな事云わないで。


嗚呼、太宰さんが殴り飛ばされた。


『おお、痛そう』
「これで痛くなかったのならどうするんだい！？」
『あ、じゃあ痛いんですね…可哀想』
「非道い！痛いに決まっているだろう！！ガードした腕がもげるかと思ったよ！！」


あーあ。


「だから俺を無視するんじゃねェ！！！」


最早戦場でも何でも無いな、此処。
いや、喧嘩してるだけだから戦場では無いのかな？まぁいいや。


今は口を出さずに傍観に専念しようかな。
「いや、十分口出してるでしょ」


何で何時もこの人は心を読むかなぁ

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