【文スト】月下の桜は今日も微笑む

42枚目 ページ44

『君は、私を助けに来たんじゃないのかい？」
半分位泣き顔をしながら太宰さんが云う。


『取り敢えず涙拭けよ』
スっとハンカチを差し出す。だが…


『あ、太宰さん、鎖で繋がれてるから涙拭けないですよね。じゃあドンマイです』
「いや、涙は出ていないから良いのだけれど…」
本当に何がしたいんだい、と聞いてくる。


どうやら頭脳明晰な彼にも分からない事があるらしい。
『当ててみてよ。当てられたら良い物をあげようかな』
「良い物って？」
『良い物は良い物だよ。ほらほら当ててみて』


きっと世の中の恋する美少女達(美少女ゲームの登場人物とか)だったのなら


これを当てられたら私のファーストキスあげてもいいよ(/ω＼*)
という感じなのだろう。(´º∀º｀)ﾌｧｰw
決して馬鹿にしている訳では無いがな、私にはそんな事出来ないよ。
でも、ネタで云ってみるのも面白そうだ、太宰さんの反応が。


考えるだけで笑いが止まらなくなりそう…やめようかな。
そして先刻から太宰さんは真剣に何をしに来たのかと良い物とは何かを考えているようだ


どうしよう？良い物だけでも教える？よし、先程考えたネタの出番だ


『太宰さん、良い物だけでも知りたい？』
「何となく嫌な予感がするから止めておこうかな…」
『まぁまぁまぁ、そんな事云わずに聞いてよ〜』


嫌な予感的中だね、太宰さん！

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