検索窓
今日:16 hit、昨日:1 hit、合計:75,196 hit

35枚目 ページ37

結局ケーキを沢山食べてお話をしていたら夕方になってしまった。
夕方、というよりは夜に近いが。


というわけでもっと話したいと我が儘を云うエリス嬢と別れ、夜のヨコハマを歩いている。
誰かと一緒なら海の倉庫街の方を歩いても構わない…というか其方の方がしっくりくるが。


今は生憎お一人様ですから。ぼっちじゃない、お一人様。
だから明るい繁華街の方へ向かっている。


変なのに絡まれて殺傷事件とか起こしたくないからね、軍警になんて捕まってやるもんか。
え?殺る気満々だって?そんな事ないって!


と脳内独り会話をしていたら何時の間にか西口五番街、という訳のわからないところまで
来てしまった。此処何処だよ。知らないよ。


やばいやばいと顔に出さずに焦る私。取り敢えず周りを見渡したところで
見知った顔を見付けてしまった。


『あ、太宰さんだ。ついていこっかな……え?』
太宰さんを見付けたのは良いのだが、和服ロリ……なのか。


そう、和服ロリの美少女が太宰さんと一緒に居た。
私は咄嗟にバッと路地の方へ駆けて、隠れてしまった。


ずっと、信じてたのに。非道いよ、太宰さん。


頭の中は此処が何処なのかという問題と和服ロリ問題とごちゃ混ぜになっていた。
何、あれ。どういうこと?探偵社の社員さん?でも見たことの無い顔だ。


彼処で何をしていたのだろう?ひょこっと路地から顔を出して見てみたけれど、
2人の姿は何処にも無くて。


もし彼等に着いていったら帰れたのでは無いだろうか。
置いていかれた、という(勝手に着いていこうとしただけだが)虚しさと寂しさもさらに
ごちゃ混ぜの頭に降りかかって、気持ちが悪い位だ。


『馬っ鹿みたい』


誰に向けて云ったのかも知れない一言は、繁華街の賑やかな音に飲まれていった。
人混みの中に独り立つ、少女を残して。

36枚目→←34枚目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

文豪 - マイエンジェル中也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ (2019年6月4日 22時) (レス) id: 31faebb885 (このIDを非表示/違反報告)
霜月ありす(プロフ) - 通りすがりさん» ご指摘ありがとうございます!そうですよね、気付きませんでした。修正させていただきます! (2018年1月19日 21時) (レス) id: ffe872e589 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - あの、シリーズ通しての指摘事項なのですが、設定キーワードのとこの…「ドックス」じゃなくて正しくは「ドッグス」表記だと思いますよ。(^_^;) (2018年1月19日 5時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
霜月ありす(プロフ) - イーストさん» ありがとうございます!感動です…これからも頑張りますのでよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月1日 20時) (レス) id: ffe872e589 (このIDを非表示/違反報告)
イースト(プロフ) - すごい面白いです!(僕にも文章力わけてください!!)ってぐらい面白いです (2018年1月1日 1時) (レス) id: 52f7d8a17b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:霜月ありす | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年10月17日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。