【文スト】月下の桜は今日も微笑む

10枚目 ページ12

中也がビル群の方へと去って行った。もっと驚いてくれると思ったのに。
若干ムッとしつつもそろそろ寮に帰って出勤の準備をしなければ、と


漸く動きはじめた朝の街を駆け抜けた。
………と、格好良く書いているけれど本当は急いで帰って太宰さんの寝顔を連写したいだけ。


私は嫌がらせの為の努力は惜しまないよ。

＿＿＿＿＿



こそこそと部屋に戻る。よし、まだ寝てるな？
布団の近くまで行ってスマホを構える。あ、近くには酒瓶が転がっているので注意ですぞ


写真を撮ると音がしてしまうため、チャンスは一度しかない。このための連写。
動画でもいいけどやっぱり待ち受けに設定しておきたいからね


この際カメラを顔にすごく近づけて撮ってしまおうか。後で皆に送ろう！！


そろっと近付いて写真を撮ろうとした筈なのに。
いや、さっき中也に指摘したのに、油断した。


『………あー、目の保養ですわー』
あっという間に布団の中で抱き寄せられていた。


てか、あったかい。めっちゃいい匂い。好きだわ(真顔)


そしてこれで寝起き画像が撮れると気づいた私偉い。
だがスマホ構えたら取り上げられてしまった。


「ねぇ、これでさ、何しようとしてたの？カメラ機能にされているみたいだけど…」


ふふ、と耳元で言われると色気倍増。なんて言うか…うん、エr(強制終了)


流石に真顔キープはキツくなってきた、くすぐったい。


誰か助けて。こんなので死にたくない。

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