身代わり代行 ページ34
それだけは避けなければならない。
「何者だ！」
男達は焦ったように声を上げる。
Aはさらに一歩踏み出した。
彼らの目的は二つ。ゾムへの報復と_____
声が震えないように強く下唇を噛む。
身代金の要求！
Aはカツラをとる。
透き通る金糸のような長い髪が月の光を反射させ、風にたなびいた。
セシリアは余裕綽々というような笑みを顔に貼り付ける。
絶対に怯むところを見せてはいけない。常に選択肢はこちらが用意するのだ。彼らはただ選ぶだけ。
わたしの物語はわたしが作る。
だってこの人生の主役はAであってわたしなのだから。
「ルシェルカ公爵家令嬢、A・ルシェルカですわ。
その方は私の大切なお友達ですの。離していただけますか？」
凜とした声に、男たちがざわめく。アイリは目を見開いていた。
Aは彼らがあっけにとられている間に、麻袋から這い出してきたアイリの肩を押した。目で逃げるように合図をするとアイリは一つ頷いて走り出す。
「あっ！」
追おうとした彼らの前にAは立ちはだかった。
確か彼らはゾムが所属する組織の見習い組員だ。見習いだけあって、肝心のアイリを逃がしてしまう辺りはお粗末である。
これがゾム程の手練れならば、Aもアイリも一緒に捕まっていただろう。
Aは自分の胸に手を当てる。
「あなたたちの目的の一つは身代金ですわよね？ 男爵家の令嬢よりも公爵家の令嬢の方が両親からふんだくれますわよ。
何せ、私の両親は私を溺愛していますもの」
もう小さくなったアイリの影を、追うものはいなかった。
Aは震える身体をしゃんと伸ばし、不敵に笑う。
「さ、お決めになってくださいな。私と彼女、どちらを連れていくか。どちらの方があなたたちのボスは喜ぶでしょうね。」
次の瞬間、一人の男に腹を殴られる。
交渉は成立ということだろう。
オーロラの魔法が発動しなかったことに少し残念に思いながら遠のく意識の中で、Aはアイリ無事を強く願った。
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シアン - (∂ω＜)-★さん» 惚れたなんていってくれて嬉しいですっ（はぁと）応援ありがとうございます！更新がんばりますね。 (2021年2月20日 14時) (
レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
(∂ω＜)-★ - え。惚れた。良ければ俺とお話しませんか?ﾊｧﾄ(痛い)これからも頑張ってくださいっす！応援してやす！^ω^ (2021年2月19日 23時) (レス) id: 783e49e84a (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 夕凪さん» コメントありがとうございます！ついにいってしまいましたね笑笑 今後の展開に是非ご期待下さい！ (2021年2月14日 10時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ((＾ω＾≡＾ω＜ｷﾞｬｱｱｱｱｱｱｱついに、ついに！syo君が好きって言っちゃったよ!? (2021年2月14日 7時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 紅鴇@端末垢さん» いえいえ、いつもお褒めの言葉とともにコメントしてくださっていてとても嬉しいです。よかったらこれからもみてくださると嬉しいです！いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月13日 20時) (レス) id: 1247c6a30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シアン | 作成日時：2021年2月4日 23時
