人魚姫がお嫁さんになったら貢いじゃダメですか？【太宰治】

20：白い王子さまも不安になる ページ20

「あの…治さん。」

「ん？どうしたんだい？」

「私…ちゃんと…この子を…育てていけるのでしょうか…。不安なんです…20歳だし…私にできるのかな…って…。ちゃんと育てられるのか…怖くて…。」

「Aちゃん…。」

「私…怖いんです！！不安なんです！！」



泣きながらそう言うAちゃん…どうしたんだろう…。



「幸せにできるのでしょうか…若くしてできたから…何か言われないでしょうか…。私…」



そっか…そうだよね…Aちゃんまだ20歳だもんね…。大学生で…まだたくさんのことを知っていくんだよね…。結婚よりも子育て…母親になると言うことの方が…不安がいっぱいだよね。まだ覚悟ない時の妊娠…母親になる心の準備すらもなかった…怖くなって不安になって当然だ…。
私はギュッと優しく抱きしめて




「ねぇAちゃん…私の方が不安だよ…。」

「え？」

「いくらね…2年間地下に潜り…過去の汚れた経歴を洗ったとは言え…私はこの手でたくさんの人を騙し、脅し、殺めてきた…。世間ではなかったことになっても…私の人生の中ではなかったことにはならない。
だから思うよ…こんな私が…子育てをして大丈夫なのか…良いのか…真っ当な大人に育てられるのか…って。君以上に思うよ。私の方こそ…子育てしていけるか心配だ。
元マフィア幹部が…子どもをちゃんとした道へ育てられるのか…分からないだろう？
そんな私が…子育てして良いのか…する権利…資格あるのか…私は不安だ。」



だからねAちゃん…




「私にも分からないけど…一緒に悩もうよ…支え合おうよ…助け合おうよ…。それが夫婦だろう？君は1人で子育てするわけじゃないんだ。私もいるんだよ？忘れないで？1人で抱え込まないで…。」

「治さん…。」




私も不安だけど…お互いさまだから…。一緒に頑張ろう？

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