17：ホントは怖いけど ページ17
「お待たせしました治さん。」
「無事に帰ってきて良かった！！物凄く心配したからね！！はぁーもー心臓止まるかと思ったよ！！いくら何でもそんな死に方は嫌！！死ぬなら君でキュン死か君に殺られたい！！！」
ちょっと何言ってるか分からない。全く分からない。変な人だと分かってはいたけれど…想像超えてるよ…。度が過ぎる気がする。
「死なれては困ります。」
「うーん…でもなあー。」
「…じゃあ、勝手に死ねください。」
「なんか酷くなーい。」
「だって…どうしたら…。キャッ！！」
突然治さんに抱きしめられた。どんなに可愛い叫び方でも、声が可愛くなければ意味が無い…ガラガラでダミ声の汚い声…。
「なぁーんてね。私は死を望むけれど…君の悲しむ顔は見たくない…。済まなかったね。」
じ さつ癖は治せないかもね。彼はそう言って笑った。
「死なないでくださいね…。」
「絶対とは…言えないけど…努力はするよ。けど、約束する…君もちゃんと守ってくれたから。」
「治さん…私…ね？」
「うん…。」
「もっと貴方を知りたいです。教えて欲しいです…そして…貴方に私を知って欲しい…です。」
なんでそう思うか分からない…けど…治さんは他の人と違うって…。私は全くお姫様じゃないし、憧れた童話の様にはなれない。町娘なんだと思う。白雪姫の様に綺麗な心を持っているわけじゃないし、シンデレラの様にしたたかでもない。
治さんはよく私を天使だと言うけれど…天使じゃない。むしろ…人魚の方がぴったりだと思う。決して姫ではないけれど…童話の人魚姫とそっくりだと思った。
「うん…たくさん教えて？そして君も私を知っておくれよ。」
治さんが童話や物語の世界の王子さまなら…私はきっとそこらの庶民で町娘なんだろう。
「わ…私は…話すのが苦手で…、この…ガラガラで…ダミ声の…男の子みたいなこの声が嫌いでコンプレックスです…。だから…いつも…声が出ない…と言うか出せません…。」
「うん…。」
「治さんとは…話したいから…勇気を…出してます…。」
ホントは治さんと話すのも怖いです…。けど、貴方はいつも優しくて…愛おしそうな顔で私の話を聞いてくれる。
「今日は…たくさん…私を知ってください…。」
貴方にもっと…私と言う…魚原Aを知って欲しいの。
18：人魚姫に恋した黒い王子さま→←16：さすがに女子事情には控えてください
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けらしあ(プロフ) - 初コメ失礼します！続編希望です！！とても楽しく読ませて頂きました。ありがとうございます (2019年9月27日 22時) (
レス) id: 4b00fe55ba (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます！ラストで泣きました！ぜひ、続編も見たいです！ (2019年9月27日 21時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 続編希望！ (2019年9月27日 20時) (レス) id: db1e8d80c6 (このIDを非表示/違反報告)
カト - 完結おめでとうございます！ぜひ探偵社編も見たいです〜！ (2019年9月27日 20時) (レス) id: 2445f38454 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮麗子(プロフ) - 最終話が美しすぎました･･･！探偵社編もぜひ見たいです･･･！検討の程お願いします！まずは！更新お疲れ様でした！ (2019年9月27日 17時) (レス) id: 3300853b00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中二半の彼女は霜月さん
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年9月18日 23時
