人魚姫に貢いで良いですか？【太宰治】

14：オシャレ着は浮かれ気分 ページ14

土曜日…学校は休みでゴロゴロしていた。治さんはお仕事があるようだった。



「あー暇だなあ…。治さんが帰ってくるまで暇だなあ…。」



昨日の夜に生活用品が欲しいと言うと「じゃあ明日の午後からは何も入れないね！！待っててね！！」と言っていた。快くと言うより最優先すると言っているようにしか聞こえなかった。




「あーそろそろ支度しようかなあー。」




とりあえずいつでも出られるようにしておかなければならない。着替えて身支度しておこう。そう思って自分の部屋へ。
ただし買い込んでくれた服と私が持ってきた服は、恐ろしい程に合わない。振り幅が0、100で両極端すぎる…。180°違いすぎる…。


「うーん…せっかくだし…出かけるんだから可愛いのにしよう。」




悩みながら治さんが買い込んでくれた服を見ていると…




「コレは…コレ人魚姫みたい…。」




青系統色の薄いチュール素材が不規則に重ねられ、白レースであしらわれたロングワンピース。ワンピースの上部分はブラウスタイプで、丸襟とフワッとした袖はレースとフリルが付いている。白と水色生地はリボンとフリルやレースが可愛い印象を与えていた。



「これにしようかな…。」



彼はよく私のことを天使以外に、人魚姫と言っている。何故か知らないけど、そう言っていることがある。それを思い出した。



白のハイソックスを履いて、頭の横に青のギンガムチェックのリボンを着けた。



「うん…これで良し。治さん…喜んでくれるかなぁ…。」



コレでこんな声じゃなければなあ…なんて思った。

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