人魚姫に貢いで良いですか？【太宰治】

22：人魚姫を守りたい ページ22

「好きな人に本心や気持ち想いをを伝えられないところや身を引くところとか…所々そっくりだ。まぁ、俺は太宰が見せてくれる写真でしか、その女の子を見たことないから…その子がどんな子かは分からん。
ただ、俺にしてみればお前も人魚姫みたいだぞ。」

「確かに…織田作さんの言う通りかもしれませんね。」




諦めて身を引く…想いを泡にして…自分を殺して…。自分の心臓を刺すか、想いを泡にして消すか…どちらにでも報われず実らない話だ。




「案外…人魚姫は君の方なのかもしれませんね太宰くん。」

「…。」




私が人魚姫…か…。




「彼女の気持ちは分かりませんが、少なからず僕には…太宰くんは少しくらいは欲張っても良いと思いますよ？」

「本気でその子が好きならば… な、少しは求めてもいいと思うぞ。」

「彼女を汚したくない…。」





汚せないんだ…私のせいで彼女が黒く染まるのは嫌なんだ…。白いなら白いままで…純粋なら純粋のままで…純白なら…純白のままで…無垢ならそのままで…純真でいて欲しいんだ…。




「彼女を汚す方が…よっぽど正気を保っていられない…。私がおかしくなりそうだよ。」

「太宰くん…。」

「太宰…俺からしてみれば、お前のその女の子への好きと言う気持ち…大好きで愛している…愛おしいと言う想い…、それは間違いなく純粋で純白で無垢で純真だと…俺は思うぞ？
経歴や汚れた手なんて関係ない…気持ちと想いが…大事なんじゃないか？」

「そうですね、もしもポートマフィア五大幹部の彼女ってなって、危ない目に遭う…それも怖いからと言うのも理由の1つなら…。」

「守ると言う覚悟がないと言うことだ。太宰…お前のその気持ちと想いは…その程度なのか？」

「…そんなこと…ない…。守るよ…守るに決まっている…ただ、」

「ただ？」

「巻き込みたくないのだよ！！彼女を巻き込むわけにはいかないのだよ！！」




私の精一杯で…限界なんだ…。

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